寝癖直しの彼 1/4 闇の魔術に対する防衛術のさんざんな授業が終わって疲れ果てていた私は、図書室に向かえば見つからないよう一眠りしようと思って、いつもの席に座って前に本をたてて眠ろうとした時、背後に気配を感じた。振り向けば、そこにはロンの妹のジニーの姿があった、今年からホグワーツに入学したジニーとは列車の中で話をした。 「どうしたのジニー?」 何も答えないジニーは一言ぼそりと囁いた。“杖”とそれだけ、その瞬間眠気が体全体を襲った。 「・・・あれ、寝てた」 あれ?ジニーとどうしたんだっけ?少し様子がおかしかったようなきがする、なんで寝てたんだろう・・・。むくりと起きあがれば、目の前に見えたセドリックの姿に思わず小さな声を漏らした。くすりと笑った彼は本を片手に人差し指を口元にもっていった。 「静かにね、NO NAME」 二回頷けば、セドリックは片手にもった本を読みながら口を開いた。 「NO NAMEが寝てたから、怒られないように見張っててあげようと思って」 「あ、ありがとう・・・」 ついているだろう寝癖を必死に直しているとずっとセドリックの手が伸びてきた。 「ここ、跳ねてる」 セドリックが私の寝癖を直してくれて、少しくすぐったかった。それよりも顔が少し熱い、少しどころじゃないかもしれない。セドリックがくしゃりと笑うと、胸が跳ねる。やばい、相変わらず美形だ。 「もうすぐハロウィンだね」 「そうだね、」 それを考えると憂鬱になってきた、去年何もなかったから今年が怖い。またルーズかランに意地悪される。 「今年は大丈夫じゃないかな、もうそこまで子供じゃないと思うよルーズは」 「あの歳のランだってしてくるのよ!」 確かにとセドリックは笑ったけれど、なんだか楽しそうだった。からかっているわけでもない、柔らかい笑みがなんだか心地よい。 [しおりを挟む] |