如月の華 | ナノ



新学期が始まる
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「新しい教科書がこんなに必要とはな」

「ちょ・・・少しは、持ってくれませんかね」

新しい教科書の買い出しにダイアゴン横丁を訪れては隣で妹の教科書も持ってくれない兄達二人を睨んだが、ルーズには軽く笑われ、無視される。すがる思いでランに助けを求めたが、最近甘やかしすぎたから、と意味不明なことを言って持ってくれない。なんなんだこいつら、本当に。でももうすぐハーマイオニーと会える。嬉しくてたまらない、ロンとハリーにも会える。まあ、一応あの双子達も。家にいる時は散々だった。二人にこき使われ、遊ばれ、いたずらされ、双子よりひどい扱いを受けた。もう散々だ。

「あれ、ルーズの彼女だ」

前の方に見えたのは可愛いルーズの彼女だったが、ルーズは視線を向けず鼻で笑い飛ばした。その行為にこいつ、また振りやがったな。と内心で思う。なんて野郎だ、もうこんなひどい奴が兄貴だなんて、最低だよ、運命ってやつは。

「ルーズには一生彼女できなといいのに」

「そんなわけあるかよ、羨ましいからってひがんでんじゃねーよ」

「ひがんでないし、羨ましくもない。そんな・・・遊びでお付き合いしてます、みたいなの・・・願い下げだし」

ルーズみたいに、付き合っては別れて。みたいなもの大嫌い。そんなの感情を弄んでいるだけだ。ふと視線を上げるとルーズの瞳が細まっていた、あれ、今のダメージ・・・?ルーズがこんなことで傷つくか、普通。

「おーいお前らなにしてんの?行くぞー」

すっかり前の方にいたランの方へ走っていったルーズに、教科書が重くて走れない私は置いていかれるハメになった。くそ、なんてやつらだ!!!だが後ろから聞こえてきた愉快な笑い声に見覚えがあって振り向くと、そこにはハリーとハーマイオニーの姿が、駆け寄ると元気に挨拶する。久しぶりのみんなの姿を見れて、嬉しかったがハリーの汚れた服に苦笑いをする

「ちょっと間違えちゃって」

何を間違えたのかわからないが、きっとドジをふんでしまったのだろう。ハリーには珍しい。

「新学期が楽しみね!NO NAME!」

「うん!」



   

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