如月の華 | ナノ



カラメル色は裏がある
1/4


毛布にくるまっていると、ふいに寮の扉が開いた。

ハーマイオニーだった、心配そうな顔をしてのぞき込んで、

「NO NAME、大丈夫?」

「ハーマイオニー…?うん、平気…」

「大丈夫そうには見えないわね、今日はあったかくして寝るのよ!」

「うん…ハーマイオニー何かあった…?」

多分、大広間から帰ってきたのだろうけど、少し目が赤いハーマイオニーが心配になった

でもハーマイオニーはなんだか微笑みを浮かべると、なんでもない。と言って

笑った。なんだか嬉しそうだな…。

「あ、それとこれフレッドから預かってきたわ」

ハーマイオニーから差し出されたのはお菓子が入った可愛らしい袋だった。

フレッドが…?と思っているとハーマイオニーが首を振った。

「貴方のお兄様からって言ってたわ」

「…は…ぁ…?」

意味が分からない。まさか中身はお菓子に見せかけて違う物なのか。

少し警戒心を抱いて袋を開けると、小さな手紙が入っていた。

“いつも悪戯して悪かったと思ってるよ

これは兄からのお菓子の贈り物。”

それに思わず笑みが溢れた。これでご機嫌直しってことね

兄らしい。苦手な兄だけれど、そこまで嫌いにはなれないかもしれないと思う。

「優しいお兄様じゃない」

「いやいや、これはいつものお詫びの品なんだから…こんなの滅多にないよ」

笑ってお菓子をテーブルに置くと、再び瞳を閉じる。

「じゃあおやすみハーマイオニー…」

「明日には元気になってね」

「うん…、」


   

[しおりを挟む]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -