如月の華 | ナノ



強気な彼はどちら様?
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「もうすぐハロウィンね、NO NAME」

「あ…そういえば……」

あまり好きではない魔法薬学の授業のためにハーマイオニーと共に教室へと

向いながらハロウィンについて話す。

ハロウィンといえば、まだここに入学する前。ホグワーツにいる兄達からの贈り物を開けたら

おもちゃの蛇が出てきたことがある。

何度ハロウィンで泣かされたか。

遠くにいてもあの人たちは私に悪戯するのだ。

今年はここにいるからどうかと思うが、もう兄たちも大人に近いのだから

そんなことしないだろうとため息をついた。

教室につくと、自分の席に座って、教科書をペラペラとめくる。

するとコツコツと足音が聞こえてきたので、急いで教科書を閉じると

目を向いた。

「では…授業を始める」

静かな声でそう言ったスネイプ先生の事はあまり好きではなかった。

私を何かと兄と比べてくるからだ。

多分スネイプ先生は兄も私も嫌いなのだろう。

彼はきっとスリザリンにしか興味ないのだ。

はぁ、とため息をつくと、それを見ていたのかスネイプ先生が近づいてきた。

「…ミス、フェアリー……今読んでいたところの続きを読め」

「…はい、えっと…」

良かった、聞いてないつもりだったが隣にいたハーマイオニーが小さく指を指したところをから読み始める。

それが気に入らなかったのかスネイプ先生は鋭く私を睨みつけると、

また授業を再開した。

あいかわらず嫌な先生だ。ハーマイオニーに感謝しないと。

やっと授業が終わると、みんな席を立ち始めた。

「確かNO NAMEは次の授業とってなかったわよね?」

「うん、そうだよ」

そう言って笑いながらハーマイオニーと分かれると、

誰もいなくなった教室で一人、時間を気にせず教科書をまとめていると、

誰かが来る足音が聞こえた。

それに振り返るとプラチナブロンドが目に入った。

彼は私と視線を合わせると同時になんだか不愉快そうな顔をして、口を開く。

「なんだよ、ブス」

ブス、今こいつブスって言った…?

苛立つものがあったが本当のことだからしょうがない。

てかもう慣れてる。

この人誰だっけ…同じ学年だと思うけど。

ネクタイが緑色だったのでスリザリンと確定、じゃあ関わりたくない。

何も言わず背を向けると、声を張り上げてきた。

「無視かよ?!この僕を無視するのか?!」

なんて面倒な奴だ、と思いながらこっちも心底不愉快そうな顔をすると、

少し目を見開いて、何も言わなくなった彼。

「…ぼ、僕はここに忘れ物を取りに来ただけだ」

「聞いてないよ」

ふっと笑ってそう言うと、顔を隠した彼はずんずんと近づいてきた。

「お前っ無礼な奴だな!!覚えておけよNO NAME・フェアリー!!」

そして急ぎ足で忘れ物を抱えて出ていった。

で、彼の名前を思え出せないのだが。

誰なんだろう。


あれ、私の名前知ってたな。




   

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