如月の華 | ナノ



地獄の授業
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「あ、上がれ!!ひィィ!!!」

戸惑いながらも発した言葉に、
バシっと箒は吸い寄せられて私の手の中に納まった。

は、早いよーっ…


「ミス・フェアリー、中々いいでしょう。」

マダム・フーチはそれにもう一つ言葉を付け加えた。

“貴方はルージーのように才能があるのではないですか?”

それにぶんぶんと首を横に振った。

あるわけない!

あっても困るわ!



「では次に箒にまたがって、地面をけります!すぐに下りてくるのですよ!」

マダム・フーチが言いかけっているのに、

グリフィンドールのネビル・ロングボトムはすいすいと空中に上がっていく。

「ネビル・ロングボトム!戻ってきなさい!」

それでも箒がいうことを聞かないのか、

どんどんと上に上がって行って、

箒の好きなように動かされている。


「うわォ…スリルありまくりでしょう…。」

可愛そうに。

と見ていたら、やがてネビルは落ちてしまった。

ああぁ…気の毒に。

ネビルを医務室に運こぼうとマダム・フーチはこの場所から離れた。

そしてネビルの所有物でる思い出し玉を奪ったスリザリンの誰…?

オールバックの偉そうな子だなぁ。

それを取り返したのが、

なんだっけ、

そうだ、ハリー・ポッター。

生き残った男の子だっけ。

え結局ハリーはマクゴナガル先生に連れて行かれちゃったけど。

私はラッキー。

これで授業はおしまいなのだから。

「あ、私次の授業ないや。」

「私はあるわ、」

次の授業が入っているハーマイオニーと別れて、

図書室に向かうことにした。

「つ、疲れた…。」

箒には乗ってはいないが半端ない脱力感がなぜかある…。

本読んでいることにして、

寝よ…

図書室の端っこの日の当たるところで、

うつ伏せにテーブルに顔を押し付けた。


「こんな所で寝てると、怒られちゃうよ」

クスクスという声が聞こえて、

一気に目が覚めた。

ガバっと起き上がると、

隣の椅子にその人物は座っていた。

美少年!!!

駅であったお優しい方!!

「やぁ、おめざめかい?」

「こ、んにちわ…はい、」

それにクスクスと笑った彼はなんだか本当に爽やかな笑みを浮かべていた。

きっと私の事おぼえてないだろうなぁ…。

「君、ルーズの妹さんだよね、」

「え……そう、です。」

なんだかこの人にはあいつの妹って知られたくなったかもしれない。

こんなに似てない兄弟なんて…。

「僕、ルーズと同じ寮のセドリック・ディゴリー。よろしく。」

「私はNO NAME・フェアリーです!」

敬語はいいよ、と言われたので。

止めておくことにした。


「グリフィンドールなんだよね?」

「はい、」

「ルーズがさ、その事でうるさいんだよ」

なんだか可笑しそうに笑ったセドリック

「うるさい…?」

「そう、まさかあいつがグリフィンドールだなんて…、って言ってなんだかやりきれない顔してるんだよなぁ。」

「…へ、へぇ…。」


なんでそんなこと口走ってるのか知らないけど

別にどうにも思わない。

あまり次男、ルーズには関わりたくないから。


   

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