華の笑顔 2/4 「なに?!お前に妹なんていたの?!」 「まぁな」 列車に乗り込んで数分後、 兄の友達であろう人物にまじまじを見つめられる。 勘弁してください、 言われる言葉なんて、いつも一緒なんだから。 「へぇ、あんまし似てないね」 嬉しくもないし、逆に悲しい一言。 私から言うのもなんだが、 うちの兄貴たちは顔の面では羨ましいほどの容姿を持っている。 そして昔からたくさんの人に”にてない”そう言われていた。 別に、似たくもないけど。 私だって美少女に生まれたかった。 そんなのは誰でも夢みることですけど。 そして兄たちは友達をコンパートメントに連れ込んでは話して、ふざけている。 なんだか、いづらい。 そう思って、思い切って兄達がいるコンパートメントを出て、 列車を探検してみる事にした。 ほとんどの人がコンパートメントの中で楽しく話していて、 少しだけ羨ましくなった。 人見知りの性格のせいか、 私ってあんまし友達いないんだよね…。 友達、できるかなぁ。 そう思った矢先、誰かに話しかけられた。 「こんにちわ!」 「こ、こんにちわ!」 ふと見れば、自分と同じくらいの女の子の姿。 やだ、可愛い子だわぁ。 「貴方も新入生?」 「うん、そう」 「私もよ、私、ハーマイオニー・グレンジャーよ!」 「よろしくっ、私はNO NAME・フェアリー!」 初めての友達にウキウキワクワクしてきた。 あー、嬉しい。 「ねぇNO NAMEはどこの寮になると思う?」 「うーん、ハッフルパフかな、兄達はみんなそうだから。」 「お兄さんがいるのね!」 「うん、一応。」 それに苦笑いをすると、 ハーマイオニーは笑った。なんとも可愛らしい笑顔。 「私はね、グリフィンドールがいいの!」 「あぁ!勇気あるもの、だよね」 「そうよっ」 カッコいいわよね、とそう言ったハーマイオニーだったが、少しして顔を歪ませた。 「でもそれだとNO NAMEと同じ寮じゃなくなっちゃうわ、」 「あ、そうか…。」 私もなんだか悲しい気持ちになってしまった。 それでも離れるのはしょうがないことだと、 二人で思う。 それに友達でなくなるわけじゃない。 そう二人で笑い合った。 「そろそろ着くみたいね。」 [しおりを挟む] |