如月の華 | ナノ



華の笑顔
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「なに?!お前に妹なんていたの?!」

「まぁな」

列車に乗り込んで数分後、

兄の友達であろう人物にまじまじを見つめられる。

勘弁してください、

言われる言葉なんて、いつも一緒なんだから。


「へぇ、あんまし似てないね」

嬉しくもないし、逆に悲しい一言。

私から言うのもなんだが、

うちの兄貴たちは顔の面では羨ましいほどの容姿を持っている。

そして昔からたくさんの人に”にてない”そう言われていた。

別に、似たくもないけど。

私だって美少女に生まれたかった。

そんなのは誰でも夢みることですけど。

そして兄たちは友達をコンパートメントに連れ込んでは話して、ふざけている。

なんだか、いづらい。

そう思って、思い切って兄達がいるコンパートメントを出て、

列車を探検してみる事にした。

ほとんどの人がコンパートメントの中で楽しく話していて、

少しだけ羨ましくなった。

人見知りの性格のせいか、

私ってあんまし友達いないんだよね…。

友達、できるかなぁ。

そう思った矢先、誰かに話しかけられた。

「こんにちわ!」

「こ、こんにちわ!」

ふと見れば、自分と同じくらいの女の子の姿。

やだ、可愛い子だわぁ。

「貴方も新入生?」

「うん、そう」

「私もよ、私、ハーマイオニー・グレンジャーよ!」

「よろしくっ、私はNO NAME・フェアリー!」

初めての友達にウキウキワクワクしてきた。

あー、嬉しい。

「ねぇNO NAMEはどこの寮になると思う?」

「うーん、ハッフルパフかな、兄達はみんなそうだから。」

「お兄さんがいるのね!」

「うん、一応。」

それに苦笑いをすると、

ハーマイオニーは笑った。なんとも可愛らしい笑顔。

「私はね、グリフィンドールがいいの!」

「あぁ!勇気あるもの、だよね」

「そうよっ」

カッコいいわよね、とそう言ったハーマイオニーだったが、少しして顔を歪ませた。

「でもそれだとNO NAMEと同じ寮じゃなくなっちゃうわ、」

「あ、そうか…。」

私もなんだか悲しい気持ちになってしまった。

それでも離れるのはしょうがないことだと、

二人で思う。

それに友達でなくなるわけじゃない。

そう二人で笑い合った。









「そろそろ着くみたいね。」


 

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