如月の華 | ナノ



疑問の山
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「ハリー大丈夫?」

クディッチの試合でスリザリンに勝ったものの腕を負傷したハリーの元へ授業の合間に訪れるとハリーは笑顔で出迎えてくれた。ハーマイオニーは違う授業をとっているから来れなかったけれど、持ってきたお菓子を渡せばハリーは喜んだ。

「あの薬、すっごく不味くて・・・」

「ああ、吹いてたもんね」

あの場面は印象的だった、勢いよく薬を吐きだしたハリーの顔が真面目に可愛想だったから。自分は絶対飲みたくない。骨の再生は荒療治だっていうけど、やっぱり痛そうだ。

「ねえNO NAME、秘密の部屋の継承者ってやっぱりマルフォイだと思うかい?」

秘密の部屋の話になって、少し瞳が揺らいだ。うーんと考えれば口を開く。

「違うと思うな・・・でもわからない」

あれからマグルの子達が続々と石にされていた。やっぱり悪戯じゃなかった。ハリーがそうか・・・、と囁いた時、医療室の扉が開いて、見知った二人の姿が入ってきた。

「ルーズにラン、どうしたの?怪我でもしたの?」

ルーズに腕を掴まれ引っ張られると、医療室から出される。ハリーとまだ話していたのに、と怒っているとランがちゃんと挨拶しておいたと後ろから言った。連れて行かれたのはハッフルパフの寮近くだった。

「ちょ、私はハッフルパフにははいれないよ」

そこでルーズの足が止まると、こちらに振り返った。そして後ろからついて来ていたランに視線を向けた。

「兄貴、こいつをこっちの寮で生活させられないのか」

「・・・それは、無理だろうな」

小さく舌打ちしたルーズがよく理解できない、一体何を考えているのか。なんの話だがよくわからない。ランが近づくと私を真っ直ぐに見た。

「いいか、NO NAME。一人で行動するのはなるべく避けろ」

「それは・・・秘密の部屋のこと?でも私は・・・襲われないでしょ?」

「・・・いいから、言うとおりにしろよ」

なにそれ、どうゆうこと。ルーズは瞳を細めたまま、私を見なかった。ランは私の腕を掴むと、寮まで送っていくと言って歩き出す。

・・・どうして?





   

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