白いバラの贈り物 4/4 「……」 ひととおり買い物を終えて、 重たい荷物を持って、兄との待ち合わせ場所である場所で一人、いらだつ気持ちを抑えて待っていると、 双子なのかそっくりな顔立ちの男の子達が自分の前を通り過ぎた。 お、初めて見た。 双子かぁ、きっと毎日楽しいだろうなぁ。 そうのほほんと考えていると、 肩をポン、っとたたかれた。 振り向くと、にこやかな顔の兄が立っていた。 「…………。」 「うん、ごめんって、許して、な?」 ふにゃふにゃした顔で誤ったって許してなんかやらない! 彼女とじゃなかったらまたマシだったのに。 無言で重い荷物全てを差し出すと、 兄は何も言わずに全部持ってくれた。 当たり前、だって約束をすっぽかしたんだもん。 漏れ鍋へと向かうと、暖炉に向かった。 「フェアリー家!!」 もう怖くなくなったのか、 フルーパウダーを握る手は汗ばんではいなかった。 一瞬にして視界が見慣れた家へと変わった。 「お、お帰り」 こちらに気づいた長男は料理をテーブルへと持ってきていて、あ、もう夕飯時だな。 と腹をすかしている自分のお腹を撫でた。 「そうだ、お前に。」 「?」 兄が指差した方向には、一個の鳥かごの中に入ってるふくろうがいた。 「…は?」 「だから、お前にだよ、あて先は不明だけど」 疑問に思いながら、ふくろうに近づくと、 手紙が入っていた。 綺麗に折りたたんである手紙を開くと、 少ない文字が書かれていた。 “ホクワーツ入学おめでとう。 ささやかだが、君にふくろうを送ろう、 このふくろうはきっと君の役に立つ。 素敵なものを届けてくれるはずさ。 P.S このふくろうはきっと君にしか懐かない” 「………は…?」 送る相手間違えたんじゃないのかな。 おいおい、どうする? ふと、ふくろうを見ると、 白い体に、汚れさえついていない。 目は黄色く底光りしている。 「…きれいなふくろう。」 なんだか見とれて思わず手を出してしまった。 あ、噛まれるかも?! と思ったけど、ふくろうは私を見て、 気持ちよさそうに身体をくねらせた。 「うん…?」 「あ、なに?!お前に懐いたの?!」 俺は噛まれたのに!! と言って、悔しそうにする兄に、苦笑い。 私に懐いたんだから、 やっぱり私宛なのかなぁ…。 ま、いいか。 [しおりを挟む] |