如月の華 | ナノ



白いバラの贈り物
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「……」

ひととおり買い物を終えて、

重たい荷物を持って、兄との待ち合わせ場所である場所で一人、いらだつ気持ちを抑えて待っていると、

双子なのかそっくりな顔立ちの男の子達が自分の前を通り過ぎた。

お、初めて見た。

双子かぁ、きっと毎日楽しいだろうなぁ。

そうのほほんと考えていると、

肩をポン、っとたたかれた。

振り向くと、にこやかな顔の兄が立っていた。

「…………。」

「うん、ごめんって、許して、な?」

ふにゃふにゃした顔で誤ったって許してなんかやらない!

彼女とじゃなかったらまたマシだったのに。

無言で重い荷物全てを差し出すと、

兄は何も言わずに全部持ってくれた。

当たり前、だって約束をすっぽかしたんだもん。

漏れ鍋へと向かうと、暖炉に向かった。

「フェアリー家!!」

もう怖くなくなったのか、

フルーパウダーを握る手は汗ばんではいなかった。

一瞬にして視界が見慣れた家へと変わった。

「お、お帰り」

こちらに気づいた長男は料理をテーブルへと持ってきていて、あ、もう夕飯時だな。

と腹をすかしている自分のお腹を撫でた。

「そうだ、お前に。」

「?」

兄が指差した方向には、一個の鳥かごの中に入ってるふくろうがいた。

「…は?」

「だから、お前にだよ、あて先は不明だけど」

疑問に思いながら、ふくろうに近づくと、

手紙が入っていた。

綺麗に折りたたんである手紙を開くと、

少ない文字が書かれていた。


“ホクワーツ入学おめでとう。

ささやかだが、君にふくろうを送ろう、

このふくろうはきっと君の役に立つ。

素敵なものを届けてくれるはずさ。


P.S このふくろうはきっと君にしか懐かない”


「………は…?」

送る相手間違えたんじゃないのかな。

おいおい、どうする?

ふと、ふくろうを見ると、

白い体に、汚れさえついていない。

目は黄色く底光りしている。

「…きれいなふくろう。」

なんだか見とれて思わず手を出してしまった。

あ、噛まれるかも?!

と思ったけど、ふくろうは私を見て、

気持ちよさそうに身体をくねらせた。

「うん…?」

「あ、なに?!お前に懐いたの?!」

俺は噛まれたのに!!

と言って、悔しそうにする兄に、苦笑い。

私に懐いたんだから、

やっぱり私宛なのかなぁ…。






ま、いいか。



   

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