涙の雫は心を満たして 3/4 「だってハーマイオニーが!!」 試験が終わった日、寮の部屋でハーマイオニーを待っていても一行にハーマイオニーは帰ってこず、とうとう消灯時間までにハーマイオニーは帰ってこなかった。 それが心配で心配で、消灯時間後、寮の外に出るのはいけないことだと知っていたが、そんなことは気にせず、外に飛び出した。 だがすぐに前を通りかかった見回り中のランに捕獲され、寮の前に強制連行された。 「俺が先生に話に言ってくるから、お前はもう寝てろ。ハリーとロンもいないんだよな」 「うん・・・」 俺もさがすから、と言って私の頭を撫でて、寮の扉を締めようとしたのを手で止める。 なんだよ、とランが私を見下ろすと、少し驚いたように目を見開く 「・・・・・・お前はそんなに泣き虫じゃなかったはずな気がするぞ」 「・・・だってハーマイオニー達になにかあったら・・・、」 なんだかすごく不安せ不安でたまらなくて、掴んだランの腕を強く握る。 息を吐き出したランは私に目線を合わせるように腰を下げると、頬に流れる涙を拭った。 「しょうがないな、本当に。ほら、こい」 私の手を握り返すと、ランの背中におんぶしてもらって、歩く。 一緒に探すぞ、と言ってくれたランに微笑んで、安心して涙を流した。 だって、本当に心配なんだもん。同じようなことがあったような気がして、 怖くなった 「本当は監督生以外は出ちゃいけないんだぞ?」 「・・・知ってる」 しばらくハーマイオニー達を探していたのに、だんだんとその記憶は薄くなっていった 「どうしたんだ、ランディー・・・?」 ランディがグリフィンドールの寮の前でパーシーを呼ぶと、ランディーが背負っているNO NAMEを見て、唖然とする。 「ハーマイオニーとハリーとロンがいないらしくてな・・・探していたんだよ。」 「なに!?また・・・あいつらは・・・、先生には?」 「今からいいに行くところだ、こいつを寝かせてやってくれ。」 差し出したNO NAMEはすっかり瞼を閉じていて、かすかに腫れているように見えた。 パーシーはNO NAMEをゆっくりと受け取ると、抱え込む。 「泣くもんだから、つい甘やかしちまったよ」 「・・・驚いたな、君たち兄弟のことだ、いつものように扱うと思っていたよ」 ランは少し笑うと、少し瞳を細めて囁いた 「こいつの涙だけは・・・見過ごせないんだよなあ」 ハーマイオニー達が見つかるのはその数時間後。 [しおりを挟む] |