如月の華 | ナノ



涙の雫は心を満たして
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「だってハーマイオニーが!!」

試験が終わった日、寮の部屋でハーマイオニーを待っていても一行にハーマイオニーは帰ってこず、とうとう消灯時間までにハーマイオニーは帰ってこなかった。

それが心配で心配で、消灯時間後、寮の外に出るのはいけないことだと知っていたが、そんなことは気にせず、外に飛び出した。

だがすぐに前を通りかかった見回り中のランに捕獲され、寮の前に強制連行された。

「俺が先生に話に言ってくるから、お前はもう寝てろ。ハリーとロンもいないんだよな」

「うん・・・」

俺もさがすから、と言って私の頭を撫でて、寮の扉を締めようとしたのを手で止める。

なんだよ、とランが私を見下ろすと、少し驚いたように目を見開く

「・・・・・・お前はそんなに泣き虫じゃなかったはずな気がするぞ」

「・・・だってハーマイオニー達になにかあったら・・・、」

なんだかすごく不安せ不安でたまらなくて、掴んだランの腕を強く握る。

息を吐き出したランは私に目線を合わせるように腰を下げると、頬に流れる涙を拭った。

「しょうがないな、本当に。ほら、こい」

私の手を握り返すと、ランの背中におんぶしてもらって、歩く。

一緒に探すぞ、と言ってくれたランに微笑んで、安心して涙を流した。

だって、本当に心配なんだもん。同じようなことがあったような気がして、

怖くなった

「本当は監督生以外は出ちゃいけないんだぞ?」

「・・・知ってる」

しばらくハーマイオニー達を探していたのに、だんだんとその記憶は薄くなっていった





「どうしたんだ、ランディー・・・?」

ランディがグリフィンドールの寮の前でパーシーを呼ぶと、ランディーが背負っているNO NAMEを見て、唖然とする。

「ハーマイオニーとハリーとロンがいないらしくてな・・・探していたんだよ。」

「なに!?また・・・あいつらは・・・、先生には?」

「今からいいに行くところだ、こいつを寝かせてやってくれ。」

差し出したNO NAMEはすっかり瞼を閉じていて、かすかに腫れているように見えた。

パーシーはNO NAMEをゆっくりと受け取ると、抱え込む。

「泣くもんだから、つい甘やかしちまったよ」

「・・・驚いたな、君たち兄弟のことだ、いつものように扱うと思っていたよ」

ランは少し笑うと、少し瞳を細めて囁いた

「こいつの涙だけは・・・見過ごせないんだよなあ」









ハーマイオニー達が見つかるのはその数時間後。


 

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