ごめんね、忘れちゃった 2/4 「あー…次授業あるのに、眠いなぁ………」 日課である図書室での居眠り、NO NAMEの瞼は重たそうに、徐々に降りてくる。 そんなNO NAMEの目の前に立った三人の男たち。 「おい、フェアリー!!」 「……図書室で寝ちゃいけないのはわかってるんですけど……どうしても」 「何を言ってる!てか寝るな!」 パーシーの声にしては若いし、パーシーは自分のことを名前で呼ぶな、と思って顔をゆっくりと上げたNO NAMEは、 自分の前に立つ三人の男たちを見て、顔を歪めた 「この前はよくもやってくれたな」 「えーと…いつのこと?貴方たちは…誰?」 おでぶちゃんに、おでぶちゃんに…金髪。 同じ一年だろうが、NO NAMEの頭のすみに何かがひっかかって思い出せない 「お前!僕のこと忘れたのか?!」 ひどくショックそうな顔をした金髪の少年だったが、すぐに顔を歪めてNO NAMEに近づいた。 「分かった、あの時ロン達をいじめてた人達」 「やっと思い出したか!僕はドラコ・マルフォイだ、よく覚えておけ」 「…よ、よろしく」 ぎこちなくあいさつを交わせば、鼻で笑われる 嫌な予感がする。なんだろう 「ふん、お前なんかと仲良くするもんか」 なぜ?と聞かないうちにマルフォイは笑顔を浮かべて口を開く 「フェアリー家のことは父上が“純潔のくせに汚らわしい家族”と言っていた、お前みたいな馬鹿でブスな奴と仲良くなんかしたくないね」 NO NAMEの瞳は見開くと、徐々に細くなっていく 「…汚らわしい、家族」 「そうだ、お前は両親と同じで汚らわしい奴なんだよ!」 静かな図書室の中でマルフォイの声が響いた途端、頬を叩く音がした。 赤くなったマルフォイの頬。手を振り上げたのはNO NAMEだった 「お前!何してんだよ!」 右側にいた男が手を大きく振り上げたとき、NO NAMEはぎゅっと目を閉じた。 [しおりを挟む] |