如月の華 | ナノ



ごめんね、忘れちゃった
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「あー…次授業あるのに、眠いなぁ………」

日課である図書室での居眠り、NO NAMEの瞼は重たそうに、徐々に降りてくる。

そんなNO NAMEの目の前に立った三人の男たち。

「おい、フェアリー!!」

「……図書室で寝ちゃいけないのはわかってるんですけど……どうしても」

「何を言ってる!てか寝るな!」

パーシーの声にしては若いし、パーシーは自分のことを名前で呼ぶな、と思って顔をゆっくりと上げたNO NAMEは、

自分の前に立つ三人の男たちを見て、顔を歪めた

「この前はよくもやってくれたな」

「えーと…いつのこと?貴方たちは…誰?」

おでぶちゃんに、おでぶちゃんに…金髪。

同じ一年だろうが、NO NAMEの頭のすみに何かがひっかかって思い出せない

「お前!僕のこと忘れたのか?!」

ひどくショックそうな顔をした金髪の少年だったが、すぐに顔を歪めてNO NAMEに近づいた。

「分かった、あの時ロン達をいじめてた人達」

「やっと思い出したか!僕はドラコ・マルフォイだ、よく覚えておけ」

「…よ、よろしく」

ぎこちなくあいさつを交わせば、鼻で笑われる

嫌な予感がする。なんだろう

「ふん、お前なんかと仲良くするもんか」

なぜ?と聞かないうちにマルフォイは笑顔を浮かべて口を開く

「フェアリー家のことは父上が“純潔のくせに汚らわしい家族”と言っていた、お前みたいな馬鹿でブスな奴と仲良くなんかしたくないね」

NO NAMEの瞳は見開くと、徐々に細くなっていく

「…汚らわしい、家族」

「そうだ、お前は両親と同じで汚らわしい奴なんだよ!」

静かな図書室の中でマルフォイの声が響いた途端、頬を叩く音がした。

赤くなったマルフォイの頬。手を振り上げたのはNO NAMEだった

「お前!何してんだよ!」

右側にいた男が手を大きく振り上げたとき、NO NAMEはぎゅっと目を閉じた。



 

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