お口が柔らかいのかよく喋る 1/5 「久しぶり!ハーマイオニー!」 久しぶりに見るハーマイオニーが可愛くてつい抱きついてしまったが、ハーマイオニーは優しく抱き返してくれた。 「あー癒されるなあ」 「私もNO NAMEを見ると癒されるわ」 「こいつのどこを見て癒されるんだか」 後ろから私の頭を指さしたのは兄、ルーズだった私たち兄妹が乗っているコンパートメントの前で抱き合っていたせいか、ルーズは不愉快そうな表情を浮かべて、私をハーマイオニーから引きはがした。 「NO NAMEのお兄様!」 「ルーズでいいよ、君がハーマイオニーか」 「はいっ」 ルーズがいつも女の子に向けるような笑みを向けてるとハーマイオニーの目がハートになったような気がする、 まったく、いつもこんな感じなんだから… 「こんな妹だが友達少なんだよ、仲良くしてやってくれ」 「はい!!」 そう言ってルーズが去っていくのを止めて殴りたかったが、今はやめておくことにした。 「本当に羨ましいわ!」 「うん…多分妹がハーマイオニーみたいな子だったら兄も喜ぶと思うよ」 何回考えたことか あの人の妹じゃなかったら、顔を比較されることもなかったし、 頭の良さだって比較されなかった。 あの人たちだってこんなブサイクな妹ほしくなかったはず。 そうだな、セドリックみたいなお兄ちゃんがほしかったな… 「全部口に出してるわよ」 「……聞かなかったことにして」 「無理ね!ねぇセドリックのことやっぱり好きなんじゃない?!」 「し、しつこいっ…!」 [しおりを挟む] |