如月の華 | ナノ



知っているから言わないで
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「NO NAME、手紙が届いてるぞ…それと、プレゼントも」

「本当?!」

今日はクリスマス、朝から期待して降りてきて良かった、

ハーマイニーのプレゼント交換の約束をしていたから。

彼女が喜びそうなプレゼントを選んで自分も送ったのだ。

階段を駆け下りてリビングにいるランの姿を見つけると、駆け寄った。

「ハーマイオニーからと…あの双子達からもあるぞ、お前のルームメートからもいくつか……あ、セドリックからも」

最後に出た名前に思わず声を出して驚いてしまった、

…どうしてセドリックから?という疑問よりも鼓動が早くなっていく。

ハーマイオニーのプレゼントを開けるよりも早くセドリックの手紙を開けると、

淡いピンク色の紙が出てきた。

“    メリークリスマス!

ランディーとルーズにはいじめられていないかい?

心配で手紙を書いてみた、でも大丈夫だと思うよ。

彼らはすごく君のことが大切みたいだから。

中々正直になれないルーズには困りものだけどね。

休暇明けの練習は楽しみにしてるよ。

ちょっとでも高い所に慣れてくれるように祈っているよ

     セドリック       ”


思わず手紙を握っていた手が汗ばんだ。

練習とは、セドリックと一緒の箒に乗る訓練のこと。

高いところは相変わらずダメだが、一緒に見たあの景色は本当に綺麗だった。

また、一緒に見たいなぁ…

ぼーっと考えていると、後ろに気配を感じた。

「おまっ…練習ってなんのことだよ」

「勝手に見ないでよ!」

「お前あてのセドリックの手紙なんて変だろ!練習ってなんだ!」

「そりゃあ変かもしれないけど私、セドリックと仲いいからいいの!」

ルーズは顔をむっとさせるように反抗するような顔をした。

「俺のほうが仲いいね」

「知ってるわ!それがどうした!」

自分あての手紙とプレゼントを全て腕の中に入れると、駆け足でルーズの横を通り過ぎる。

すばやく階段を上がって自分の部屋に滑り込んだ。

ルーズが逃げるな、と叫んでいたような気がしたが、聞こえていませんということにしておく。


「さープレゼントみよ、」









   

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