知っているから言わないで 4/4 「NO NAME、手紙が届いてるぞ…それと、プレゼントも」 「本当?!」 今日はクリスマス、朝から期待して降りてきて良かった、 ハーマイニーのプレゼント交換の約束をしていたから。 彼女が喜びそうなプレゼントを選んで自分も送ったのだ。 階段を駆け下りてリビングにいるランの姿を見つけると、駆け寄った。 「ハーマイオニーからと…あの双子達からもあるぞ、お前のルームメートからもいくつか……あ、セドリックからも」 最後に出た名前に思わず声を出して驚いてしまった、 …どうしてセドリックから?という疑問よりも鼓動が早くなっていく。 ハーマイオニーのプレゼントを開けるよりも早くセドリックの手紙を開けると、 淡いピンク色の紙が出てきた。 “ メリークリスマス! ランディーとルーズにはいじめられていないかい? 心配で手紙を書いてみた、でも大丈夫だと思うよ。 彼らはすごく君のことが大切みたいだから。 中々正直になれないルーズには困りものだけどね。 休暇明けの練習は楽しみにしてるよ。 ちょっとでも高い所に慣れてくれるように祈っているよ セドリック ” 思わず手紙を握っていた手が汗ばんだ。 練習とは、セドリックと一緒の箒に乗る訓練のこと。 高いところは相変わらずダメだが、一緒に見たあの景色は本当に綺麗だった。 また、一緒に見たいなぁ… ぼーっと考えていると、後ろに気配を感じた。 「おまっ…練習ってなんのことだよ」 「勝手に見ないでよ!」 「お前あてのセドリックの手紙なんて変だろ!練習ってなんだ!」 「そりゃあ変かもしれないけど私、セドリックと仲いいからいいの!」 ルーズは顔をむっとさせるように反抗するような顔をした。 「俺のほうが仲いいね」 「知ってるわ!それがどうした!」 自分あての手紙とプレゼントを全て腕の中に入れると、駆け足でルーズの横を通り過ぎる。 すばやく階段を上がって自分の部屋に滑り込んだ。 ルーズが逃げるな、と叫んでいたような気がしたが、聞こえていませんということにしておく。 「さープレゼントみよ、」 [しおりを挟む] |