如月の華 | ナノ



無愛想だと思うその心
2/4



「あーお腹すいたぁ」

ハーマイオニーと共に大広間へ向かっていると、後ろから似た声が二つ聞こえた。

「もう大丈夫なのかよ」

「もう大丈夫です、あ、あの袋っ、わざわざありがとうございます」

「お安いご用さ、」

「そうそう、それより昨日は大変だったんだぞ?」

なんのことだと思っていると、ジョージがしかめっ面で私を睨んだ。

「なんと!トロールが侵入したんだよ、ここに!」

「トロールが…?」

「あのマヌケなトロールがだぞ!!」

「それは…大変でしたね…」

たいして怖くないジョージの顔に苦笑いを浮かべると、つまらなそうに息を吐いたジョージ。

「っていうかNO NAME、いい加減敬語やめてくれないか?」

「え、でも年上ですよね?もしかして実は同級生だったなんてこと」

「あるわけないじゃないか、俺たち敬語好きじゃないんだよ」

「…分かった」

それに満足そうな顔をしたフレッドとジョージは先に大広間に行った。

「だいぶ気に入られてるわねNO NAMEったら」

「気に入られてもなんの得にもならないわ」

ハーマイオニーは苦笑すると、私たちも大広間へ急ぐことにした。

その瞬間腕を誰かにつかまれた。

振り向くと、そこにはルーズの姿があった。

なんだか瞳を細めて自分を見下ろして、息を吐いた。

「なに?」

「体調は?風邪ひいたんだろう?」

「あ、大丈夫よ」

「そうか、」

それだけ言うと、ルーズは歩いていってしまった。

なんだあいつ……。

「お菓子のことお礼言わないの?」

「言わないよ!なんかお礼とか言いたくないしね……」









 

[しおりを挟む]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -