カラメル色は裏がある 1/4 毛布にくるまっていると、ふいに寮の扉が開いた。 ハーマイオニーだった、心配そうな顔をしてのぞき込んで、 「NO NAME、大丈夫?」 「ハーマイオニー…?うん、平気…」 「大丈夫そうには見えないわね、今日はあったかくして寝るのよ!」 「うん…ハーマイオニー何かあった…?」 多分、大広間から帰ってきたのだろうけど、少し目が赤いハーマイオニーが心配になった でもハーマイオニーはなんだか微笑みを浮かべると、なんでもない。と言って 笑った。なんだか嬉しそうだな…。 「あ、それとこれフレッドから預かってきたわ」 ハーマイオニーから差し出されたのはお菓子が入った可愛らしい袋だった。 フレッドが…?と思っているとハーマイオニーが首を振った。 「貴方のお兄様からって言ってたわ」 「…は…ぁ…?」 意味が分からない。まさか中身はお菓子に見せかけて違う物なのか。 少し警戒心を抱いて袋を開けると、小さな手紙が入っていた。 “いつも悪戯して悪かったと思ってるよ これは兄からのお菓子の贈り物。” それに思わず笑みが溢れた。これでご機嫌直しってことね 兄らしい。苦手な兄だけれど、そこまで嫌いにはなれないかもしれないと思う。 「優しいお兄様じゃない」 「いやいや、これはいつものお詫びの品なんだから…こんなの滅多にないよ」 笑ってお菓子をテーブルに置くと、再び瞳を閉じる。 「じゃあおやすみハーマイオニー…」 「明日には元気になってね」 「うん…、」 [しおりを挟む] |