落ちた花瓶は花瓶ではなかった 6/6 「パーシー、ちょっといいか?」 「どうしたんだいランディ。」 グリフィンドール生を誘導していたパーシーに声をかけると、 数人の視線とパーシーの視線がこちらに向く。 「うちの妹を知らないか?さっき席にいなかっただろ?」 「そういえば……、おいお前たちNO NAMEを知ってるか?」 パーシーが話しかけたのは赤毛の顔のよく似た双子だった。 確か、いたずら好きのフレッドとジョージ。パーシーの弟だったな。 「NO NAMEなら風邪っぽいから寮で休んでいるよ」 「風邪…?」 「くしゃみを何回もしてたし、具合も悪そうだったよ」 寮で休んでいる。 その言葉を聞いて胸をなで下ろした。 なんだ、これでルーズも安心するだろう、 懐からお菓子の袋を取り出すと、双子の一人にそれを渡す。 「これをNO NAMEに届けてくれないか?」 「ああ、お安い御用だよ!」 「ありがとう、じゃあまた」 パーシーにもお礼を言ってハッフルパフの寮へと帰る。 談話室にはルーズとセドリックがいて、 二人とも帰ってきたときにはすぐに駆け寄ってきた。 それに苦笑すると、さっき聞いたことを伝える。 「なんだ、良かったじゃないかルーズ」 「はぁ…」 ため息をついたルーズに微笑むと、セドリックも困ったような顔をして微笑んだ。 [しおりを挟む] |