如月の華 | ナノ



落ちた花瓶は花瓶ではなかった
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「パーシー、ちょっといいか?」

「どうしたんだいランディ。」

グリフィンドール生を誘導していたパーシーに声をかけると、

数人の視線とパーシーの視線がこちらに向く。

「うちの妹を知らないか?さっき席にいなかっただろ?」

「そういえば……、おいお前たちNO NAMEを知ってるか?」

パーシーが話しかけたのは赤毛の顔のよく似た双子だった。

確か、いたずら好きのフレッドとジョージ。パーシーの弟だったな。

「NO NAMEなら風邪っぽいから寮で休んでいるよ」

「風邪…?」

「くしゃみを何回もしてたし、具合も悪そうだったよ」

寮で休んでいる。

その言葉を聞いて胸をなで下ろした。

なんだ、これでルーズも安心するだろう、

懐からお菓子の袋を取り出すと、双子の一人にそれを渡す。

「これをNO NAMEに届けてくれないか?」

「ああ、お安い御用だよ!」

「ありがとう、じゃあまた」

パーシーにもお礼を言ってハッフルパフの寮へと帰る。

談話室にはルーズとセドリックがいて、

二人とも帰ってきたときにはすぐに駆け寄ってきた。

それに苦笑すると、さっき聞いたことを伝える。

「なんだ、良かったじゃないかルーズ」

「はぁ…」

ため息をついたルーズに微笑むと、セドリックも困ったような顔をして微笑んだ。



   

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