如月の華 | ナノ



悪魔よ、破れたり
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「やぁNO NAME!」

「一体何しにきたんですか、フレッド?」

「あれ、なんでわかるの?すごいね」

「ただ適当に呼んでみただけですよ」

ああ、会いたくない。

今日はいつもより会いたくない。

目の前でニコニコと笑顔を浮かべている、何を言われるかは大体分かったので

言われる前にご要望のものを差し出すことにした。

「はい」

それにびっくりしたのかフレッドは私の手の平にあるものを何度も見ると

困ったような顔をして受け取った。

「はぁ、しょうがない…なんで分かったんだよ?」

「だって今日はハロウィンでしょう?」

非常に残念そうな顔をしてフレッドは息を吐いた。

でもどうして今日は一人なんだろうか、それを聞こうとした時に、

多くなくしゃみが出てきた。

「おい大丈夫か?NO NAME」

「うん、多分大丈夫です」

今日は朝から少しダルかったのを覚えている、まぁ大丈夫だろうけど。

「今日はご馳走だからな、風邪ひいたりしたらもったないぜ?」

苦笑するフレッドと共に大広間へ向かっていると、前から走ってくる双子の片割れ

ジョージがこちらを見ると、フレッドに睨みをきかせた。

「フレッド!お前失敗したなぁ!」

「しょうがないだろ?NO NAMEからお菓子を貰っちゃったんだから」

「ええっ、俺たちの計画が……っ…」

どんな計画ですか…。

もう勘弁です。本当に。

ため息をつこうとするとまたくしゃみが出た。

そしてやっぱり身体がダルいことに気づく。あまり食欲もない…

「本当に風邪なんじゃないか?」

「それは大変だな…寝ていたほうがいいんじゃないか?」

「そうします」

双子が寮まで送る、と言ってくれたけれど

これからご馳走なのだから断って、一人で寮に向かった。











 

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