如月の華 | ナノ



咲いた花がふたつ
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シャワーから上がって、部屋でベットにゴロンと寝っ転がると、

ルームメートのパーバティとラベンダーの話が聞こえてきた。

「ねぇ知ってる?ハリーってグリフィンドールのシーカーに選ばれたんですって!」

「まぁ本当?!すごいわぁ!一年生がなれるなんて!」

確かに。

そういえばセドリックもハッフルパフのシーカーだと聞いた。

だいぶすごいなぁ。

近いうちに試合があると言ってたけれど、いつなんだろう。

行ってみたいな。兄を見るのはごめんだけど、セドリックを応援しよう。

「あ、それとね!今日もかっこよかったのよランディー!!!」

「ぶっ……」

それを聞いた瞬間に口にふくもうとしていたジュースをこぼしてしまった。

それに驚いたのかラベンダーが目を見開きながらこっちを見る。

「大丈夫?どうしたのよNO NAME」

「なんでもないわ、大丈夫、続けて続けて」

本当はそんな話続けてほしくない。

だから教科書を持って談話室に向かう。

宿題を終わらせよう、

ソファに座ろうと思ったが、もうすでに二人座っていた。

ハリーとロンだ。

彼らとはあの時しか話したことはない、自分の名前を知らなかったし、

彼らも私のことをよく知らないはず。

私も彼らをしらない、でもハーマイオニーとは仲が良いものだと思っていたけど…

しょうがないから床に腰を下ろすと、テーブルに教科書を広げた。

羽ペンでスラスラと宿題をやっていると、真上から歓声が聞こえた。

「う、っわあぁすごいや、ここわからなかったのにスラスラできてるよ…」

「本当だ、すごいや」

顔を覗かしていたのはハリーとロンだった。

「教えてあげようか?ってっても私もパーシーに教えてもらったんだけど」

「本当かい?!」

「僕も!」

結局二人に勉強を教えることになった。

ここは何回もパーシーに質問したから完璧だ。

勉強ができるわけではないから自慢なんてできなけど。

「できた!ありがとうNO NAMEっ」

「いいえ、役に立てて嬉しいわ」

そう言って微笑むと、二人は不思議そうな顔をした。

「なに?」

「いやさ、NO NAMEってハーマイオニーといつもいるから…もっと…なんか固い子なのかと」

ロンの呟いた言葉に目を丸くした、

そしてふっと笑うと、口を開く。

「そんなんじゃないわ、ハーマイオニーだって固くなんかないよ」

「えぇ?でもあいつったらいつも偉そうなことばっかり!」

「本当は優しくて友達思いの子なんだよ、だからそうゆうふうに言わないであげて」

「そうかなぁ」

ロンは悩むように息を吐き出すと、ハリーはきっとそうだよ、と言い聞かせてくれた。

ハーマイオニーはいい子だよ。

あの子の笑顔、私は大好きだもの。





 

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