淡い話とは程遠い 2/3 「どうだったの?NO NAME」 「え?なになに?!」 「箒で特訓するって言ってたじゃない?随分とぼーっとしてるけど…」 談話室で勉強するはずだったが、いつのまにかやってきたハーマイオニーに ぼーっとしてると言われて、原因は何かと考えた。 「その特訓が…原因かあ」 「もう、NO NAMEいい加減教えてよ!一人で特訓してたんじゃないんでしょう?!」 「まぁ…そうだけど」 なんで分かったんだろう、と思いながらもソファに座りなおすと。 ハーマイオニーの興味ありそうな顔が覗いてきた。 「そんな楽しい話しじゃないよ?ただセドリックと練習してたってだけ…」 「なんですって?!」 「え、そんなに驚くようなことかな」 それにガシっと両腕を掴まれて顔がぐっと近づくと、ハーマイオニーは口を開いた。 「いい?NO NAME、セドリック・ディゴリーはハッフルハフのアイドルよ! 貴方のお兄さんと並ぶほどのね!!」 「やっぱり?かっこいいもんねぇ」 「どうやって箒の特訓する約束なんかしたの?年も違うのに…接点なんか」 「図書館で知り合ったの、彼は私がルーズの妹って知ってて、それからよ」 やっぱりお兄様関係なのね…とブツブツハーマイオニーは言うと、 またきらめく瞳を向けてきた。 「それでNO NAME、恋しちゃったってこと?!」 「どうしてそうなるのやら…」 「だってぼーっとしてたでしょう?!」 「あー…」 それはあんな爽やかな笑顔を一日に何発も見せられると自分が何か違うものに組み替えられていくような気がしたから。 と言ってもなんだか信じてくれなさそうだな…。 なんて言おう。 そう考えていると、隣に座ってきた人物が声をかけてきた。 「「やぁNO NAME」」 「…はぁ」 「なんだよそのため息は」 「せっかく声かけてやったっていうのに」 またこいつらか…。 双子の顔を見るなり自然におこったため息を押さえ込まずに吐き出すと 双子は顔を歪める。だがすぐにそれは楽しげな表情に変わる。 「なんの話?」 「なんか楽しげだったけど」 「ハーマイオニーが楽しげなだけですよ」 「冷たいなぁ」 やれやれ、と手を挙げた双子に。それはこっちが言いたいという気持ちになる。 「あ、そういえばハリー達が……」 「え?」 「いや、なんでもない」 ハリーって、 ハリーとロンのこと…? [しおりを挟む] |