会いたくない人 5/5 「あれ?土曜日なのにほうきを持ってどこ行くの?」 「特訓よ!」 「一人で?」 「一人で!」 ハーマイオニーの不思議そうな顔が見えたが、 気にしないで特訓の待ち合わせ場所まで急ぐ。 少し早く行って気持ちぐらいは準備しておかなきゃ…!! 場所は大きな木下、 そこまで早足で角を曲がると、 足が何かに引っかかったような気がしたら、 その予感は的中、 大きく体は反転し、 久しぶりに転んだ。 「あっはっはっは!!!!!!」 すぐ横で腹を抱えて笑い出したのは、 知っている声だった。 その人物がすぐ分かったので、 何も言わないで睨んでいたら、 ニヤけた顔で口を開いた。 「相変わらずバカだな!お前は!!!!」 「どうゆうつもりよ!ルーズ!!!」 横にいたのは彼女を腕に絡ませたルーズだった。 休日には一番会いたくない人ランキングの上位に値する人物だ。 いや一位かもしれない。 「いやぁ、なにやら面白そうな顔をして急いでいたからさ」 「最悪!!!本当にひどい!」 「兄なんだからいいだろ、」 「理由にならないわそんな事!」 「なんだよ「ねぇルージー、行きましょうよ」 兄弟ケンカが始まろうとした時、 可愛らしい女の子がそう言うと、 兄もしぶしぶ口を閉じた。 「じゃあな」 もう二度と会いたくないから返事をせずに去っていった。 「なんだよあいつ、返事もしねぇで」 「いいじゃない、なんでそんなに妹に絡むの?」 「え、」 「ルージー、いつも妹さんの事グチグチ言ってるけど、嫌いなわけじゃなさそうよね」 「………嫌いだよ、」 本当に最悪だ。 なんで朝っぱらからあいつと…くそおおぉ 木が見え始めたころ一緒に見えた姿。 そこには綺麗な顔で眠っているセドリック。 まだ待ち合わせの時間じゃないのに、 「セドリック!」 「あ、やぁNO NAME」 くしゃっと笑った彼はやっぱり爽やかだった。 あぁ、ルーズさえ見なければ今日は完璧な一日だったのにな。 [しおりを挟む] |