如月の華 | ナノ



会いたくない人
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「あれ?土曜日なのにほうきを持ってどこ行くの?」

「特訓よ!」

「一人で?」

「一人で!」

ハーマイオニーの不思議そうな顔が見えたが、

気にしないで特訓の待ち合わせ場所まで急ぐ。

少し早く行って気持ちぐらいは準備しておかなきゃ…!!

場所は大きな木下、

そこまで早足で角を曲がると、

足が何かに引っかかったような気がしたら、

その予感は的中、

大きく体は反転し、

久しぶりに転んだ。

「あっはっはっは!!!!!!」

すぐ横で腹を抱えて笑い出したのは、

知っている声だった。

その人物がすぐ分かったので、

何も言わないで睨んでいたら、

ニヤけた顔で口を開いた。

「相変わらずバカだな!お前は!!!!」

「どうゆうつもりよ!ルーズ!!!」

横にいたのは彼女を腕に絡ませたルーズだった。

休日には一番会いたくない人ランキングの上位に値する人物だ。

いや一位かもしれない。

「いやぁ、なにやら面白そうな顔をして急いでいたからさ」

「最悪!!!本当にひどい!」

「兄なんだからいいだろ、」

「理由にならないわそんな事!」

「なんだよ「ねぇルージー、行きましょうよ」

兄弟ケンカが始まろうとした時、

可愛らしい女の子がそう言うと、

兄もしぶしぶ口を閉じた。

「じゃあな」

もう二度と会いたくないから返事をせずに去っていった。











「なんだよあいつ、返事もしねぇで」

「いいじゃない、なんでそんなに妹に絡むの?」

「え、」

「ルージー、いつも妹さんの事グチグチ言ってるけど、嫌いなわけじゃなさそうよね」

「………嫌いだよ、」


















本当に最悪だ。

なんで朝っぱらからあいつと…くそおおぉ

木が見え始めたころ一緒に見えた姿。

そこには綺麗な顔で眠っているセドリック。

まだ待ち合わせの時間じゃないのに、

「セドリック!」

「あ、やぁNO NAME」

くしゃっと笑った彼はやっぱり爽やかだった。

あぁ、ルーズさえ見なければ今日は完璧な一日だったのにな。

   

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