如月の華 | ナノ



約束の手紙
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「よぉNO NAME!いつになく元気がないじゃないか!!」

「いつも憂かなそうな顔してるけどなぁ」

「うるさいですよ!もう顔に関してはほっといてくださいよ!!」

あーきたきた、この二人。

初めて会った日から毎日のようにからかわれ、
いたずらの計画を聞かれる。

それであまりいい返事をしなかった次の日には
更にひどいいたずらをさせられる。

あー、憂鬱だぁ…。

「まぁ大丈夫だって!普通だから顔はさ」

「…まぁ、そうですよね…少し答えに期待した私がバカでしたよー…」

「まぁそのはなしは置いといて」

誤魔化された?!くううぅ…

まぁいいんですけどね、別に。

言われ慣れてきたことに反論なんかしませんよ。

「なんでそんな顔してたんだよ」

「いやぁ貴方たちに話すほどバカじゃないんで」

そのまま談話室から立ち上がって、女子寮に行こうとすると、

ジョージに呼び止められた。

「おい、なんか落としたぞ」

ほれ、と差し出されたのはさっき私のふくろうが持ってきてくれた白い手紙。

「うわあぁッ!ちょ、見てないですよね?!」

「見るか、まぁお前に男からの手紙なんてくるはずないからな…見る価値もな「さよなら!」

「あーあ、キレられちった。」







ズンズン、と階段を駆け上がっていくと、

自分のベットにダイブした。

「くぅームカツク双子め!」

ま、いいのさ。

だってあのハンサムボーイの美少年からの手紙だから!!

すっかり忘れていたが、

セドリックと特訓する約束だった。

セドリックはシーカーって言ってたからすごく上達しそう…

だけど…乗るのは気がむかない。

でも、絶対にバレてはいけない特訓。

みんなにバレたら…

きっといじめをうけるわ!!!!

ドキドキしながら、

綺麗な白い手紙を開けると、

これまた綺麗に居られた紙が入っていた。

"
やぁ

あの約束を覚えてるかい?

僕が君に飛行術を教えるってやつだよ、

僕の空いている日が分かったからとりあえず連絡するね。

月曜日の昼休みと土曜日

合う日が決まったらふくろうを送ってくれると嬉しい。

"

「土曜日なら空いてるわ、」

すぐに手紙を書いて、自分のふくろうを呼んだ。

そういえばこのふくろうに名前をつけていない、

うーん、どうしよう。

愛らしく擦り寄ってくるふくろうを見つめたまま、

考えていると、

ふと頭に浮かんだ名前。

「イアル、とかは?」

性別は不明だけどこれならどっちでも大丈夫だよね…

私的にも好きな名前だし。

なんだかいい気分になった所で、部屋の扉が開いた。

そこには憂かなそうなハーマイオニーの姿。

「どうしたの…?」

「私…偉そうなのかしら…?」

「急にどうしたの…?」

ハーマイオニーをベットに座らせれば、

ポロポロと涙を流し始めた。

「ロン、が…私は偉そうだから友達ができない、って……」

「そんな…」

ロンって…

あ、今日名前聞いてきた子!

あれはさすがに傷ついたな、同じ寮なのに…

でもしょうがないよね、

私は影薄いから…

「ハーマイオニー…私が貴方の友達だよ?」

「わかってるわ…でも」

「うん、わかるよ…大丈夫、貴方は成績優秀だししょうがないわ、それにとっても優しい人だって…私は知ってる。」

「NO NAME…、」

優しく抱きしめれば、ハーマイオニーもゆっくりと抱き返してくれた。






それにしても、

ロン、ハリー…

意外とひどい人なのかな…、

 

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