如月の華 | ナノ



二つの赤いリンゴ
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「僕に続いて一年生の諸君!」

宴が終わり、

初めての寮に監督性に案内されながらも進んでいく。

「太ったレディだ…!」

と、隣の男の子が言ったような気がした。

動く階段を上がってきた来て、

目の前にやってきたのは扉の前、

そこには太っている女性の絵がある。

「合言葉は?」

「!」

しゃべった…。

そうか、この人が扉の番人ってわけね。

合言葉を言うと、

寮に案内された。


女子は左の部屋らしい。


「私NO NAMEと同じ部屋よ!」

「ハーマイオニーと?やった」

良かった、ハーマイオニーと同じなら安心する。

他にも同室の人と仲良くなった、

よかった、とりあえず友達はできた。

その日の夜はなんだかよく眠れた、

次の日、初の授業は「飛行訓練?!」

「どうしたの、NO NAME?」

「い、いや飛行訓練って…えェ……。」


深いため息をついていると、

ハーマイオニーは不思議な顔をした。

「サラは箒に乗ったことがないの?」

それにゆっくりと頷くと、

またもや疑問そうな顔が返ってきた。

「私も乗ったことがないけれど、NO NAMEはお兄さんがいるし、一回は乗ったことがあると思ったけど。」

「い、いやね、うちの兄貴達は私が魔法使えると思ってなかったから…。」

ほんとにあの兄貴達は私にぜんぜん構ってくれなかった。

あー兄貴としてひどすぎる。

「楽しみじゃないの?」

「怖いよ…だって、飛ぶんだよ!!!」

「え、ええ、そうね」

実は大の高所恐怖症。

もう嫌だ、

逃げたい、逃げたい。


ハーマイオニーはきっと大丈夫よ、

と慰めてくれるが、全然そうは思わない。

とりあえず朝食をとるために、

広間へと向かう。

人はまばらで昨日の晩際よりは全然少なかった。

グリフィンドールの席につくと、

後ろからガシっと肩を掴まれた。


「ひっ…!」

思わず声を上げると、

よく知った声が聞こえてきた。

「NO NAME」

「…な、なんだ…」

そこにいたのは長男だった。

ピッシリと黄色いネクタイをして、

強張った顔でこっちを見てきた。

「おい、お前グリフィンドールって確かなのか?!」

「さぁ、知らないよ…、そうなんじゃない?」

「んなバカな!」

まぁ上二人がハッフルパフだったし、

私もハッフルパフかと思ったんだけどね…。

「くそ、そのせいであいつがどんだけうるさかったか…。」

「あいつって…?」

そう聞くと、兄はバツの悪そうな顔をして、

一言言って去って行った。

「…今のは聞かなかったことにしてくれ。」

「…はぁ………?」

ま、いいや。

と思って目の前にあったパンに手を伸ばしかけたとき、バシっと腕を掴まれた。

「ねぇNO NAME!あの人とどうゆう関係なの?!」

「え?」

ハーマイオニーの瞳がなぜだか輝いている。

なぜ…?

「え、今のは別に私の兄…。」

「なんですって!あの人がお兄様?!」

「そんなに驚くことかなぁ。」

わからない、と言ってパンをかじると、

空席であった私の両側に一緒のタイミングで誰かが座ってきた。

「「俺らが教えてやるよ、」」

同じ声が!同じ顔が!

ふ、二人!!!

よく見ればダイアゴン横丁で見たことある双子だった。

「やぁ初めまして、俺達もグリフィンドールで、フレッド・ウィーズリーだ」

「俺はジョージ」

顔をずいっと近づけてきた二人に、

戸惑いながらも自己紹介をした。

「わ、私はNO NAME・フェアリーです…」

「NO NAME!君は偉大な兄が二人もいる!」

「二人、兄はいるけど…偉大じゃぁ…」

それに二人はノンノンと首を振った。

「いいかい?君の一人目のお兄さん、ランディー・フェアリーはね、ハッフルパフの監督生だぜ?成績優秀、そんでもって女子ウケなんか最高なんだ。」

「あいつが監督生?!」

ランがそんなにすごかったとは…。

知らなかったのかよ、と呆れながらも

話の続きを聞いた。

「そして、二人目のお兄さん、ルージー・フェアリーはこれまたすごく有名なハンサムボーイ。しかもクディッチにも出ていて、ランディーよりも女子ウケがいい。なんたってあいつは顔は良すぎるからな。」

「…は、はぁ。」

もう突っ込まないようにしとこう。

ルーズはなぜか厄介な気がする。


「そんな素敵なお兄さんがいるなんて!!!」

羨ましい、と笑ったハーマイオニーに苦笑い。

あんなのどこが素敵なんだろう。


「君は…見たところあんまりお兄さんには似てないようだね」

「…よく言われます。」

それに乾いた笑顔で二パッと笑うと、ぐいっと顔を近づけられた。

「へぇーーーーーーーーー。」

「な、なに…?」

「おい、相棒。」

「あぁわかってるぜ、ジョージ。」

なぜか不適な笑みを浮かべて去って行った二人になんだか嫌な予感がした。


   

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