こうして僕らは傷つけ合う | ナノ
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到着したエンドレイヴの目線がNO NAMEの下にある死体へと向くと、
不機嫌そうな声が発せられる。
「あんたもしかしてまだ一人しか殺ってないの?」
まだ若く、少し幼さの残るダリル声、それはNO NAMEの耳へと入ってきたが、NO NAMEの目線はエンドレヴには向かず、その死体へと向く
「あの時間で一人とはね、また殴られるんじゃない?いやそれどころじゃすまないかもね」
楽しそうに、愉快そうに笑うダリルの言葉を聞き流してNO NAMEはエンドレヴに背を向けて歩き出す
「おい!無視すんなよ!!!!」
エンドレイブから怒りの声と共に弾丸が飛ぶ、それはNO NAMEへと向けられる
「っ…、」
弾丸の一つがNO NAMEの腕に貫通する、弾の通った穴から溢れ出る真っ赤な血がまた地面を濡らしていく、
震える左手を抑えながら、刀を収めると、また再びNO NAMEは前へと歩き出した。
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