壊したくて泣きたくて | ナノ

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「そろそろ休んだら?」

セブンスへブンのカウンター越しにティファに声をかけられ、顔を上げる

「ずーっとその資料見つめて、どうしたのよ」

「別に…」

目の前に散らばった資料を片付けなければならないのに、まったくそれは進んでいはいなかった

ただ見つめていただけで、何もやっていない

ティファは呆れたように息を吐き出すと、目線はクラウドの耳元にいった

「ピアスどうしたの?」

その言葉に目を見開いて、クラウドは右手で左耳を覆った、

そこには確かにあったはずのピアスがない。どうして、と思うほどなんだか頭が痛くなった。

「無くしたの?」

「そうかもしれない、」

「もったいない、あれかっこよかったのに」

無くしたのだろうか、あのピアスを。

どこで、どうやって、なんだか気になって仕方がない。

「…今日はもう寝るよ」

「うん、おやすみ」

クラウドは資料をまとめると、カウンター席を立ち上がる。セブンスへブンの階段を上がれば、ある自分の部屋へと足を進めれば、ベットに倒れ込んだ。

一昨日、目が覚めたとき、何かが変わっているような気がした。

どうしようもなく重かった心と、この世界から逃げたかった想いがすっかりなくなっていた

軽くなった身体、なのに、無くしたものはまだあるかのように何かがひっかかていた

「思い出せない」

それが何かが思い出せない。

頭の奥が傷んで、脳内が散らかせれるように、わけがわからなくなる

「……」

もう一度。左耳を右手で覆う、そして静かに瞳を閉じた。



   

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