壊したくて泣きたくて | ナノ

1001
1/4




「っ…、う」

自分のせいなのに止まらないよ、どうすれば涙は止まるの?

めいいっぱい走る足がガクンと止まれば、自分の腕が何者の手によって引き止められていることに気づく。

振り向こうとしたけれど、後ろから抱き寄せられ、腕が肩を引き寄せる。

「クラウドっ。」

振り向かないでも分かったクラウド感覚、どうして、そんな事聞けない。

雨が振り続ける暗い空間に沈黙と雨が地面に落ちる音だけが響く。

「クラ」

もう一度、名前を呼ぼうとした時、クラウドの声が聞こえた。

耳元で響く声に、思わず瞳が細まる。

「すまない、八つ当たりだ」

「……ううん、本当に私が悪いの」

またじばらくクラウドは口を閉ざしたけれど、腕の力は緩まなかった。

涙も止まらない、こぼれ落ちて、雨と一緒に地面に落ちる。

「頼むから、泣かないでくれ」

切なく響いた声に、胸がいっぱいになりそうになる

そんな事言われたら、余計に涙を流したくなる。

「うん……っ…」

小さく頷いたNO NAMEをクラウドはゆっくりと離して、必死に涙を止めたNO NAMEを確認すると空を見上げて顔を歪める、

「クラウド?」

クラウドはNO NAMEを見ると、腕を掴んで走り出した。




   

[しおりを挟む]
  back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -