壊したくて泣きたくて | ナノ
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「っ…、う」
自分のせいなのに止まらないよ、どうすれば涙は止まるの?
めいいっぱい走る足がガクンと止まれば、自分の腕が何者の手によって引き止められていることに気づく。
振り向こうとしたけれど、後ろから抱き寄せられ、腕が肩を引き寄せる。
「クラウドっ。」
振り向かないでも分かったクラウド感覚、どうして、そんな事聞けない。
雨が振り続ける暗い空間に沈黙と雨が地面に落ちる音だけが響く。
「クラ」
もう一度、名前を呼ぼうとした時、クラウドの声が聞こえた。
耳元で響く声に、思わず瞳が細まる。
「すまない、八つ当たりだ」
「……ううん、本当に私が悪いの」
またじばらくクラウドは口を閉ざしたけれど、腕の力は緩まなかった。
涙も止まらない、こぼれ落ちて、雨と一緒に地面に落ちる。
「頼むから、泣かないでくれ」
切なく響いた声に、胸がいっぱいになりそうになる
そんな事言われたら、余計に涙を流したくなる。
「うん……っ…」
小さく頷いたNO NAMEをクラウドはゆっくりと離して、必死に涙を止めたNO NAMEを確認すると空を見上げて顔を歪める、
「クラウド?」
クラウドはNO NAMEを見ると、腕を掴んで走り出した。
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