壊したくて泣きたくて | ナノ

0801
1/2



「…ッ」

昨日の夜のことを思い出すだけで、胸が高鳴る。

抱きしめられた、あの大きな身体に。

彼は優しいから、

NO NAMEは朝のコーヒーを飲みながら、テレビの音を聞いていた。

どうして、自分が泣いているのか。

分かってしまったから、すごくまた胸が傷んだ。

どうやったって、涙が止まりそうにない。

だからこそNO NAMEは部屋を立ち去ろうとした。

その後のことを思い出すと、胸が高鳴るけれど、期待なんかしてはいけない。

彼は優しいから、抱きしめてくれた。

クラウドには“エアリス”がいるんだ。

「おはよう」

「!」

思わず持っていたコーヒーを落としそうになった、

クラウドだった。NO NAMEの後ろから顔を出して、NO NAMEを見つめる。

「大丈夫か…?」

「…う、ん、ごめん」

「なら、いい」

クラウドは小さく笑うと、お馴染みのソファの上に腰掛けた。

「じゃあ朝食作るね」

今日は休みの日だから、どこかに出かけたい。

クラウドに色んなものを見せてあげたい。

この世界のいろんなことを知ってもらって、楽しんでもらいたいな。



   

[しおりを挟む]
  back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -