壊したくて泣きたくて | ナノ

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朝ごはんを作るために早く起きることには慣れなかったが、

同居人がいると頑張れるものなんだな、と思う。

でも私より起きるのが早いクラウドはいつも私の料理するのを難しい顔で見ている。

「そんなに見られると、やりずらいなあ」

「…そうか?」

「そうだよ!だから手伝いなさいなクラウド君」

くすっと笑ったクラウドはシャツをまくり上げると、手渡した包丁で丁寧に野菜を切っていく。

以外と上手なので思わず苦笑してしまう、これで料理の腕が私よりうまかったら…。

「もうさ、クラウド料理作ればいいよ…私なんて」

「何言ってる、俺ができるのは切るぐらいだ。」

「嘘付けーっ!!」

ほんとなんだけどな、そう言って少し戸惑った顔をするクラウドはなんだか柔らかくなったような気がする。

前より表情をいっぱい見せてくれてるような気がして。

なんだか嬉しい。

てか……なんか新婚さんみたい。

そう思ったとき、これって本当にやばくないかと思った。

クラウドのお嫁さん…?!

「思ったんだが、男がいるのに本当に俺がいていいのか……ってどうした」

ぼーっとクラウドを眺めていると、ふいに青い瞳が私を捕らえる。

「っ…なんでもないです!!!」

ないこれ。妙に恥ずかしい。

てか同居って、おい…。

今更恥ずかしくなるなんて……どうして、

思い当たる考えがあったが、今は心の中にしまっておくことにした。

「(だって、決めたんだもん。努力するって。)」

その時、携帯の着信が鳴った。







   

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