壊したくて泣きたくて | ナノ

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「う、うわぁ……」

「服も俺の世界と似てるな」

「そ、そうなんだ。だから着こなせるんだね…」

家にあった兄の服をかっぱらいクラウドに着せてみると、

これまた綺麗に着こなしてしまった。

イケメンだけどとりいっそうイケメンになった気がする。

こんな人と隣を歩いてたら逆に自分が恥ずかしいよ。

「じゃ、行こうか」

近くのデパートに向かって歩き始めた。

着くまでにクラウドは外の様々な景色を見つめていた。

だけど時々切ない表情をした。

人の深い所に手を出すのはよくない、そう思ったから何も聞かないでいた。

聞く言葉も見当たらないから。

「ここがデパートで、まずは服から!」

メンズの服で私的にクラウドに似合うような店に案内すると、

クラウドもその服達には顔を歪めなかった。

「はいこれお金」

「…好きに買っていいのか?」

「うん、私といないほうが選びやすいでしょ?ばっちり買ってきてよね」

生活用品をそろえるのだから女の私といると気まずいだろうから

私は落ち合う場所を決めて、歯ブラシなどを買うことにした。

「おお、安い…」

「あれNO NAMEじゃん」

聞き覚えのある声に思わず振り向くとそこには自分の友達がいた。

二人の友達はこっちに手を振りながら近づいてきた。

「なになに?買い物?」

「うん、そう。」

「そっか!私たちもショッピング〜!てかね、さっきカッコイイ人見つけちゃった。」

その瞬間に頭に浮かんだのはクラウドの顔だった。

目立つからなあ、あの金髪は。地毛だったらすごいわ。

「へーえ、どんな人?」

「外国人なんだろうけど、金髪でかっこよかった!」

クラウドだ、ああやっぱり。

この状況じゃ自分の連れです。なんて言えないなあ

だから軽く聞き流した。

こっそりクラウドと落ち合って帰らないと…。

「あ、最近どう?秋真と」

「あ〜何もないよ」

「あんたのせいでしょ!!!」

数分しゃべると、友だちと別れてまた買い物を続けた。

そしてあっというまに時間がきてたいていのものは買ったので、

荷物を抱えて落ち合う場所に向かった。




 

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