壊したくて泣きたくて | ナノ

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「…、」

ベット上で泣く夜が彼がいなくなった日から日常になっていた

脳内に浮かぶクラウドの顔が胸を締め付けて、苦しくさせる

「ふっ…」

泣いてはいけないのに、涙はボロボロとこぼれ落ちる。唇をかみしめても、止まってはくれない。

右手に握り締められている、彼のピアスが余計に心を締め付ける

―彼との約束

それがあまりにも苦痛で、仕方がなかった


いつ?まだ?いつになったら彼に会えるの?

本当は…もう、会えないんじゃなくて…?


約束を信じられない自分がすごく嫌になる


ベットにねげ捨てられた携帯の画面が光った、お兄ちゃん。と表示された携帯の画面

携帯に手を伸ばすことなく、NO NAMEは再び涙を零す


こんな日常が半年、兄は心配してしょっちゅう電話をくれるけど

もう出たくない

こんなになってしまった理由も話したくなし、誰とも話したくない。


「クラウド、」

彼の残していった額に込められた熱が、熱くて、苦しくて、

どうすればいいのかわからなくなる




会いたいよ、今すぐに、


彼の優しい笑顔が、すごく見たい




   

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