壊したくて泣きたくて | ナノ
12022/2
「…、」
ベット上で泣く夜が彼がいなくなった日から日常になっていた
脳内に浮かぶクラウドの顔が胸を締め付けて、苦しくさせる
「ふっ…」
泣いてはいけないのに、涙はボロボロとこぼれ落ちる。唇をかみしめても、止まってはくれない。
右手に握り締められている、彼のピアスが余計に心を締め付ける
―彼との約束
それがあまりにも苦痛で、仕方がなかった
いつ?まだ?いつになったら彼に会えるの?
本当は…もう、会えないんじゃなくて…?
約束を信じられない自分がすごく嫌になる
ベットにねげ捨てられた携帯の画面が光った、お兄ちゃん。と表示された携帯の画面
携帯に手を伸ばすことなく、NO NAMEは再び涙を零す
こんな日常が半年、兄は心配してしょっちゅう電話をくれるけど
もう出たくない
こんなになってしまった理由も話したくなし、誰とも話したくない。
「クラウド、」
彼の残していった額に込められた熱が、熱くて、苦しくて、
どうすればいいのかわからなくなる
会いたいよ、今すぐに、
彼の優しい笑顔が、すごく見たい
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