壊したくて泣きたくて | ナノ

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「だからなんで忘れちゃうかなあ」

「す、すいません…。」

「電話しろっていったじゃん。もう、いいや。お疲れ様」

「お疲れ様です…、」

受話器の向こうで途切れた声は自分の担任の声だった。

受話器を置くと、深いため息を吐き出した。

「(どうして悪いことってのは、続いて起こるんだろう)」

結局接客業は自分に向いてないと判断した。

バイトをやめて、ただ学校に通う日々だったが、なくしたものはなんだか埋まらない

何をなくしたのかも分からない。

ずっと胸にくっついてこぼれ落ちてくれないものの名前を知らない。

不安、恐怖、悲しい

全部が混ざり合った変な気持ちは確かに嬉しいものではない。

でも知ってる、この気持ちはなかなか消えてくれない。

罪悪感と嫌悪感。似ても似つかないこの感情が交じり合って、とどまっている。

嫌な気分だ。とても。


思わず部屋のベットに身体を沈めて、瞳を閉じた。

そしたら暗い視界になにも映らないはずなのに、

あの交じり合った感情が浮かんでくる。

いやだ、消えて。これ異常嫌なことをお越したくない。

正直、辛い。

他人から見たら辛くないのかもしれないけど。

ひどく自分は可哀想に見える。同情がありがたく思える。

「あああーっ!!!!!!」

ダメだ、もっと大きな声を出さないと。

吐き出さないと、私はダメになる。

どうやったら、こんな弱い自分を捨てられるのだろうか。







 

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