壊したくて泣きたくて | ナノ

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クラウドが連れてきた場所は公園の屋根のあるベンチ、そこに二人で座る。

「これ以上濡れるわけにはいかないだろ」

「そう、だね」

苦笑いしながら、少し濡れた身体をタオルで吹いていく。

なんだか、少し寒い。

「NO NAME」

「なに?」

「俺の話し、聞いてくれるか?」

「もちろん」

エアリスの名前が切ないのは変わらない、でも、そんなのは関係ない

クラウドが少しでも楽になれるのなら、なんだってしよう

彼が壁を壊してくれるのなら。


「俺のせいで二人の大事な人が死んだんだ、親友のザックスと…エアリス」

クラウドの世界は戦いが盛んだと聞いている、魔法なんかが使える世界だと

やはりこの世界と違う、常に危険と隣り合わせの、生活。


「本当に俺のせいなんだ、俺はその罪を一生背負っていくと決めていたのに…自分に弱くなる」

「でもクラウドは頑張ってる、頑張ってるよ!!!」

自然と出た言葉に、クラウドは目を丸くする。

同時に吹き出したクラウドは小さく笑みを作って、笑ってみせた。

その仕草に心臓がうるさい、なんてかっこいい笑顔なんだ。

「ありがとな、NO NAME」

自分の素をクラウドが見せてくれたような気がして。

また胸が浮かれてしまう。

もうどうしようもない、どうしようもなく彼に恋している。






 

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