壊したくて泣きたくて | ナノ
09022/3
「どうして…、」
「俺が全部悪かったんだ、俺のせいで……死んだ、俺が殺したのと同じだ」
痛い、痛い、そんなこと言わないで
そんなに悲しまないで
クラウドの胸が泣いているようで、今にも壊れてしまいそうで怖い
「違うよ…きっとクラウドのせいじゃない」
「あんたに何がわかるんだ!!!!」
心臓が止まりそうになる、クラウドの荒らげた言葉に全身が震えた。
ポツ、ポツと曇天の空から涙が落ちるように降ってきた雨の粒が頬にあたる。
正論だ、私は何もしらないくせにでしゃばった。
彼の悲しみを知らないくせに、余計なことをいった。
だから自分のせいなんだ、涙を流してなんかいけない。
泣いてはいけない、そう思っているのに。
止まらないよ
「そうだよね、ごめん、先…帰ってて」
そしてそのまま、私は走り去る。
また逃げるのか、逃げて逃げて、逃げて
世界からいなくなれたら、いっそ楽なのに
もう、胸が痛くて、仕方がないよ
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