壊したくて泣きたくて | ナノ
08022/2
「じゃあどこに行きたい?」
「だから俺はここらへんで十分だ」
クラウドが言葉を続けようとしたとき、インターホンが鳴る。
NO NAMEは息を吐きながら玄関を開けたその時、NO NAMEの瞳は見開いた。
「お兄ちゃん!」
「よお、近くで仕事があってさ、今日は泊まらして」
目の前ににこやかな笑顔を浮かべたのは、黒髪で端麗な青年の姿だった。
NO NAMEは唖然としていたが、気を持ち直して、クラウドのことをどう誤魔化せばよいか考える。
「…って、ちょ、待ってよ!」
それもつかの間、兄は家に上がってしまって、リビングへと足を進めた。
NO NAMEが腕をつかんだが、遅く。
リ文具の扉は開かれる、その中にいたクラウドへと視線は向く。
「……ん?」
兄の瞳も、クラウドの瞳も見開く。NO NAMEは小さな声でこの男が自分の兄だとクラウドに伝えると、クラウドは小さく頷いて兄に近づいた。
「…妹さんとお付き合いしています、クラウドです」
「…え、こいつと?」
「な、なにいってんの?!」
NO NAMEは更に目を見開く、どうゆうことだか分からない。
なぜクラウドがこのような発言をする。
クラウドはそれに気づいたのかNO NAMEの腕を引くと、小さな声で耳打ちする。
「…こうゆう理由でもないと、家に男が居候しているなんておかしい」
「…た、確かに」
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