壊したくて泣きたくて | ナノ

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自分の放った言葉に冗談だろ、とでも言うかのようにクラウドは唖然とした。

「……あんた、もしかして遊びだったのか」

「…そんなわけないでしょ」

遊びで付き合うほど暇じゃないし、そんなことしない。

変な勘違いはやめて欲しい、でもクラウドが唖然とする意味はわかる。

別れるなんて軽々しく言えないし。

でも私には言えてしまうのだ。なんて自分勝手な言葉なんだろう。

嫌だな、自分で言って嫌な気分になっちゃったよ。

「…好きなんだろ、冗談はよせ」

「冗談じゃないよ、前から思ってたことなの。好きとか、なんか分からない」

確かにあったはずの気持ちがなくなってしまったような感覚。

いつから私はこうなったんだっけ。

こんなにもやもやするのら別れた方がいい。

「なら付き合う前に気づけ、遅いだろ」

「だから…最初はこんなんじゃなかったんだけど…あれ?最初から好きだったっけ?」

よくわからなくなってきた感情。

それにクラウドがありえない。と言ったのが聞こえた。

「まぁ、いいや。別れる。決めた」

今は自分が最低でいい。

こんなに曖昧なものは大嫌いで、はっきりさせたい。

手早く携帯を開くと、秋真宛てのメールを作成しだす。

「まさか、携帯で告げるつもりか」

「……今はこんな時代なんだよね、実は」

私もクラウドと同意見だ。大事な事は直接会って伝えるべき。

メールとか電話なんかじゃ伝えられない思いのはずだから。

でも、違う。告白された時だってメールだったし。

今の時代は生告白なんてみんなしないのだ。

それがみんな当たり前だと言うが、

私はそうは思わない、思わないくせに私もメールで別れを告げる。


「本当、最低だ私」




 

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