壊したくて泣きたくて | ナノ
02033/4
「あ、いたいた…って、囲まれてる」
クラウドの姿はすぐ見つかったが、その周りには同じく金髪に髪を染めた
女の子の姿があった。
どうやらナンパされているようだった、
イケメンのクラウドはどう対応するのかな。見どころだ。
しばらくクラウドを眺めていようと見つめていると、
ふいに青く光る瞳がこちらに向いた。それにドキリと心臓が跳ねると同時に
女の子が口を開いた。
「ねえ、一緒に行動しようよ。一人でしょ」
その言葉にクラウドは女の子のほうを見ると、静かに口を開いた。
「興味ないね」
「ぶっ……。」
思わず大声で笑ってしまいたいと思ったが、息を吹き出した。
そしてその群れをかき分けてずんずんとクラウドが歩く先は、
私の元だった。
「……遅い」
「いやあーごめん。ナンパされてるの見てたの」
「知ってる」
そうだよね、目があったよね。
「ごめんね」
だって私が言ってもあの女の子達ひかなそうだたからさ。
「でも“興味ないね”は笑えたよ」
「……興味なかったから」
「そうだろうけど、ストレートっていうかなんていうか」
ハッキリいうと冷たいなあ。
って所だったが、あれは知らない人だからかな。
それとも、私にも同じようにせっするのかな。
なんでこんなこと考えるんだろう。
なんか、くだらない。
← →
[しおりを挟む]