傍に | ナノ

0301
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暗い牢獄の中、鈍い声が響いた。

「…お前、なに考えてるんだ」

「……っ…何も考えてない!」

地面に倒れ込むNO NAMEに馬乗りになった三弥はNO NAMEの緑色の髪をつかみあげた。

頭皮から聞こえるギリギリとした音、NO NAMEは叫びたくなるような声を押し殺して

自分の上にいる三弥を睨んだ。

「…気に入らない、なんだ…その目は」

「なら私を殺せ!!!」

「…はっ…」

NO NAMEの言葉を三弥は鼻で笑うと、口元を釣り上げた。

「俺がお前を殺すなんてことするわけないだろう?」

三弥はゆっくりとNO NAMEを抱きしめると、そのまま唇を甘噛みするように触れる。

「俺はお前が大好きだよ、お前も俺が好きだろ?」

「嫌い!あんたなんか大嫌い!!!!離して!!!」

腕の中で暴れるNO NAMEを離すことはせず、三弥は笑みを浮かべる。

そしてNO NAMEの耳元に唇を近づけると小さく動かした。

「お前は俺と一生、生きていくんだよ…俺とずっと一緒に」

その言葉にNO NAMEは瞳を見開いたが、小さく息をこぼして、瞳を細めた。

「……貴方と、一生一緒に?」

「そうだよ…化け物のお前と、俺は一生一緒にいる、世界が終わるまでな」

声も出ないNO NAMEに三弥は笑いかけると、立ち上がった。

牢獄の出口へと目線を向けると、息を吐いてゆっくりと出ていった。

三弥のいなくなった牢獄の中でNO NAMEは瞳を閉じた。

ゆっくりと呼吸を繰り返す中、思う。


―――いつ、この息は止まるのだろうか


そう思った瞬間、感じたことのない人の気配を感じた。

開いた瞳、鉄格子の向こうに移った人の姿。

面と黒いマント、面から漏れる黒く短い髪の男は腕を組み、後ろの壁に寄りかかりながら私を見ていた。

「……だれ」

「俺か?お前は知る必要もない」

瞳を細めて男を見た、感じたことのないチャクラ、それは怪しくてなんだか怖い。

「お前は…すごいな、予想以上のチャクラ量だ」

「………これは、偽りの力だよ」

「それを自分のものへと変換しているのだろう?三弥が殺さないわけもわかる。」

NO NAMEの瞳が見開いた、男はいつのもにか鉄格子の自分側に来ていた。

咄嗟に足を一歩ひいたが、男の腕はのび、NO NAMEの顎を掴んで、顔を上げさせる。

「美しい女だな、お前。」

「…もう汚れてる」

嬉しくなんかなかった、そう思う心も汚れてしまった

私の手も顔も、全てで汚れているのだ。

「俺の名を教えてやろう」

「!」

面に空いた一つの穴、吸い込まれるように、その穴に目線がいくと、

男の目玉が見えた。

引き寄せられそうな瞳、身体が動かなくなった。


「俺の名はマダラ」













     

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