傍に | ナノ

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暗い、暗い部屋の中で横たわるNO NAMEの細い身体、鎖で繋がれた手足はぐったりとしていた。

人の歩く音が響くと、それはだんだんと近づいていくる。

そして檻の向こう側にたったのは、怪しく微笑む男、三弥だった。

檻の中にいるNO NAMEにそっと手を伸ばすと、頬に触れた。白い肌を撫でると、

小さく声が発せられた。

「触らないで」

ひどく錆びれた声だった、NO NAMEは細く開かれたうつろな瞳に三弥をうつす。

見下ろす三弥の唇は弧を描いた。

「せっかく人間扱いしてやってたのに」

NO NAMEは何も答えず、また世界を見ることをやめるかのように瞳を閉じた。

「起きろよ、つまらないだろ?」

三弥は檻を開いて中に入ると横たわるNO NAMEの身体を抱き起こす、だが反応のないNO NAMEに顔を歪めた、

三弥はNO NAMEの腕を掴む、静かに鎖の音が響くと当時にNO NAMEの手のひらをクナイが貫いた。

「っ…ぁ」

絞り込むような声が響く、だらだらと腕に流れる赤い血はNO NAMEの頬を濡らしていった

「起きろって言ってるだろ」

三弥は抱き起こしたNO NAMEの身体を離すと、NO NAMEの身体は地面に落ちた、背中に感じた衝撃と手のひらの痛みにNO NAMEは小さな呼吸を繰り返す。

「起きてよ、NO NAME」

NO NAMEは悔しそうな顔で起き上がると、ふらつきながらも立ち上がった、

満足そうな顔で三弥はNO NAMEを見下ろすと、そのままNO NAMEを抱き寄せた。

ふっと耳元に熱い息がかけられると、小さな声が囁かれる。

「俺の言うこと、ちゃんと聞いてくれれば優しくしてあげるのに」

三弥の声はどこか寂しそうで、どこか切なそうに響く。

「狩りの時間だ、最近…変な奴らが多くてさ」

その声がNO NAMEの耳に届いた瞬間、NO NAMEの瞳の緑色の中の光が光った。

   

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