傍に | ナノ
01011/3
「……」
目の前にある壊れた鉄格子の中には何もいない。
あるのは、外れた鎖。
「……逃げられいと分かっていてか」
外れた鎖を眺めながら男は呟いた。
「ミナト…?」
「何か感じないか?」
波風ミナト、
ミナトは辺りを見回した。
今、大きなチャクラを感じた…
「おいミナト!」
チャクラ感じたほうに走って抜けると滝と湖があった。
「おかしいな…」
チャクラを感じる、強いチャクラなのに段々弱っていくみたいだ。
「!」
水の中から音が聞こえた…
ジャブジャブと音を立てて水の中に入って手を入れると何かがある感触があった。
「人間だ!」
ザバッと勢いよく引き上げると綺麗な緑色の明るい髪が目に入った。
俺と同じくらいの少女だ…
抱きかかえて湖から引き上げると、
水から出て、地面に下ろした。
「…生きてる。」
唇が微かに動いたのがわかった。
まずは生きててよかった、でもなんでこんな所に…
しかもこの傷、白い肌に赤い傷と腫れているところが多くある。
なんで…この子は、忍び…?
「その子を返してくれ」
「!」
気づいたら若い男数メートル離れた所に立っていた、
気配をまったく感じなかった…
「…返してくれ」
「…お前は…?」
すんなりこの子を渡せばいい、
そうは思わなかった、傷だらけの少女を目の前にして、平然と返してくれ、なんて
信用できない。
「お前が知る必要はない」
「…じゃあこの子は渡せない。」
この男のチャクラ、まったく感じることができない。
男が一歩こちらに近づいた時、
俺はクナイを投げた、
そして目の前へ一瞬で移動するとクナイを振り下ろす。
その瞬間男は姿を消した。
「…」
「戦いたくないんだ」
気づいたら背後に姿をあらわした男。
そして一瞬感じた禍々しいチャクラ。
「……」
俺は方向転換して少女の傍に一瞬で移動すると少女を抱き上げる。
そして男から離れるためにスピードを上げて移動した。
「…俺から逃げることなどできない、後悔するぞ」
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