傍に | ナノ

0203
3/3


「この家か、」

先ほど火影様に呼び出されて話を聞いてきた。

理由は分かった、

俺の連れてきた少女のことだ。

俺も気になっていた、

あのチャクラと、あの子のいろいろな事について

そしてしばらくここにいろことになったあの子の世話を俺が任された、

同然だ、俺が連れてきたんだから。

あの明るい髪の子だから、きっと性格も明るいのかな。

勝手なあの子の姿を想像して、

なんだかドキドキしてきた。


「あれ、」


家の戸を叩いてもあの子は出てこない、

ふと見ると無用心に戸が少し開いてきた、

それに敵の侵入の事を想像して、

ゆっくりと家に入った。

静かな空間に、敵の気配はなかった。

リビングに歩いていくと、

緑色の明るい髪が見えた。


「寝て、る」

イスに腰掛けたまま、顔を少し傾けて瞳を閉じていた、

肩は規制正しく上下に揺れている。

白い肌が印象的でそのせいで目立っていた傷はきれいに治っていた。


「あ、」


なんだかぼーっと彼女を眺めていたら、

ふいに彼女の長いまつげが動いた。

そのまま目蓋が上に上がると、

綺麗な緑色の瞳がこっちを見た。

心臓が一回大きく跳ねたような気がした。

何かが一瞬電流のように体に流れ出したように。


こっちを見たまま動かなくなってしまった彼女に慌てて近づいた。

「ごめん、不法侵入しちゃって…、あの…俺は波風ミナト」

そう言うと彼女は少し顔を傾けて、

変わらない表情で唇を動かした。

「私を、助けてくれた人…」

「あ、そう、です……」

思ったより小さく高い声になんだかびっくりした。

「君はこれからここにいることになったんだよね、それでわからないことがあったら俺に聞いて?」

「は、い…ありがとうございます」

また変わらない表情と声でつぶやいいた彼女。

記憶がない、そう言っていた。

では、名前は…わからないのか。

性格までも変わってしまうのだろうか、

いや、もともとこんな感じなんだうか。

「やっぱり何も思い出せないのかな」

それに小さく頷いた彼女は、

なんだか遠くを見ていた気がする。

なんだかその表情から何も感じらない。

「あの、私って……危険人物ですよね」

「え、」

危険人物、確かに彼女はそう言った。

「……自分のチャクラについてわかるの?」

もし、この子が敵だったら。

強大な力をもった悪ならば。

記憶を失っている今がチャンスなのかもしれない。

「いえ、みんな…チャクラのことをいうので…」

「……何か術は使える?」

それに横に頭を振って、口を開いた。

「…私、何も覚えていないから」

「う、ん…そうだね、」

なんだか、掴めない。

一体この子は何者で、

どうしてあの男に狙われているのか、




どうして火影は普通の生活をさせるのか。


もし里にとって、


危険な存在であったら。


そう思う自分は、


間違っているのか。













ただわかるのは、




あの子のチャクラは、





普通じゃない。





   

[しおりを挟む]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -