傍に | ナノ
01033/3
「火影様も感じましたか。」
「あぁ、里に入ったときじゃらビンビン感じておったわ。」
火影の表情も綱手と同じく歪んでいた。
「普通の生活をさせていいのですか」
「お前も分かっただろう、あの子は記憶がない。今、あのチャクラのことを話しても理解できまい、牢獄にでも閉じ込めたりでもしたらどうなるかわからん」
「ですが、危険すぎます。」
「…あの子を信じようじゃないか」
火影の言葉に綱手は言いたかった言葉を押し込めた。
かわりに酸素を吸い込むと、
大きくため息を吐いた。
「他の者はあまり感ずいていないようです、」
「見たところ、あの子のチャクラは感じるものの強さによって感じ方が違う。例えばそじゃの、下人の忍び達にあの子の強さを聞いてみたら皆、間違いなく自分よりも弱いと答えるだろう。」
「では、上忍に聞いたら…、」
「恐ろしい力を感じる者もいれば、普通だろうと感じるものもいる。感じるものの強さに比例して感じ取れるようになっている。」
「ではあの子のチャクラは一体どれだけあるんですか?まさかあの人柱力よりも強いなんて言いませんよね、」
綱手の言葉に火影の表情は変わらなかった。
「そんなものの存在など聞いたことがありません!」
「だからこそ…あの子に記憶を取り戻してもらう必要があるのだ。」
それは危険な判断だ。
それぐらい火影は理解していた。
あの子が記憶を取り戻して、
暴れ狂ったら、世界は終わるだろう。
「わしらはあの子について知らなさすぎる。」
「では、あの子の事を調べましょう。」
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