傍に | ナノ
01033/3
「速いな、どうする?」
「追うに決まってる!仲間の仇だ!!」
上忍の忍達が木々を飛び越えていく、
だが、追っている敵の姿はもう前に消えかかっていた、追いつけないほどの速さだったのだ
上忍達は悔しそうに顔を歪めると、後ろをついてきていた仲間に視線を向けた。
「ミナト、お前なら追いつけるだろう、頼んだぞ!!!」
「はい、」
頷いた黄色い髪の青年、ミナトは数秒足に力をためると、先ほどとは比べ物人ならないくらいの速さで木々を駆け抜けた。
目の前に消えかかっていた敵の姿が見える、ミナトの視界にうつった緑色の綺麗な髪
一瞬、ミナトの視界が揺らいだ。
「(緑色、)」
鮮明によみがえる一人の少女の姿、だがその映像をかき消すと、
追いついた敵の前に降り立つ。
クナイを構えながら、顔を上げると驚きと共に瞳が見開かれた。
「…、」
緑色の髪に緑色の瞳を持つ、少女。
あまりに似ている姿にミナトは息を呑む。
本物かもしれない、彼女はあの時里を出た。
一向に口を開かない少女は、ミナトを見上げると、瞳を細めた。
「……去れ、この森から」
冷たいその声と威圧感にミナトの全身が揺らぐ、
「(この、チャクラは……、)」
自分を覆い隠すようなチャクラの量、全身を震えさせる大きな力。
それには、見覚えがあった。
「君は・・・、」
←
[しおりを挟む]