傍に | ナノ
02022/3
朝から気分が悪かったので、陽の光を浴びようと窓を開いた。
心地よい陽の光と風が私に触れる。
「気持ちいい…」
安心する気持ちを感じながら、朝食の準備をすることにした。
お昼からまた散歩にいこうか、14時くらいはとくに気持ちがいい。
朝食を済ませると、ぼんやりと陽の光にあたっていた。
ずっとこのままでもいいのだが、外はさらに空気が新鮮だから、
散歩に行きたいのだ。
「そろそろ、」
ちょうどいい時間だと思い、昼食を取ると外に出た。
眩しいぐらいの日差しを浴びながら、歩く。
ゆっくりと踏み出す足だったが、誰かの声が聞こえたような気がした。
上から…?
上を見上げようとした瞬間、目の前に降り立った黄色い髪の彼。
ミナトだった、どこからきたんだ。上から…?
首をかしげていると、彼は眩しいぐらいの笑顔を私に向けた。
本当に、眩しい。
太陽でできているかのような彼の笑顔は心を安らげて、安心させてくれる。
だから彼の笑顔は好きなのだ。
「散歩?」
「うん」
「じゃあ、俺も」
そう言って隣に来た彼に微笑むと、一緒に歩くことにした。
歩数をあわせてゆっくり歩いてくれるから楽で、ついついぼんやりしてしまう。
それに気がついたのか、ミナトが苦笑すると、優しげに目元を細めた。
「!」
「ん、なに?」
「…なんでもない」
一瞬跳ねた心臓だったが、その理由は語らなかった。
「そういえば。」
「え…」
「シカクがさ、最近変なんだ」
「……変?」
「なんか思い悩んでいるっていうか…」
友達を心配しているはずなのに妙な笑顔を浮かべるミナトの表情に疑問を感じる。
まるで楽しんでいるかのような表情だからだ。
「……あ、心配はしてるよ?でもなんかなあ」
「……よく、分からない」
そう答えると、そうだよね。とミナトは答えると
また眩しい笑顔を浮かべた。
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