傍に | ナノ

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「おいおいおいおいミナト!!!」

歩いているとき見えたミナトの後ろ姿に駆け足で近づいて声をかければ、

ミナトは振り返った。

「お前のせいで俺は事情聴取されたんだぞ!」

「なんのことだよ…」

笑いながらミナトはそう言ったが、このことを言えばクシナにまた怒られる。

無念な気持ちを抱きながらも息を吐いて一緒に歩きだした。

「お前、例のあの子を抱きかかえて顔岩んとこいったんだって?」

「ん、そうだよ。里の案内をするために」

案内かよ。

それなら問題ない。クシナに怒鳴られなくて済む。

が、なんだか違和感を感じるミナトの態度にじっと見つめていると。

気づいたのかミナトは口を開いた。

「あの子のこと、俺は信じてみようと思う」

「お前が一番疑ってたくせにかよ。」

「ん、さっきまではね。でも…いいものを見たよ」

「は、いいもの?」

それに緩んだミナトの顔に自分の顔を歪ませると、

皆とは苦笑した。

「あの子と噂になるのも悪くないかもよ」

「……はぁ?」

やっぱり何かあったな。

ため息をつきながらも前を一歩早く歩きだしたミナトについて行った。



   

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