16歳 | ナノ

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NO NAME、大切なNO NAME―――…


どうしたら、お前を守れる?

お前が悪魔になっても、それでも、俺は…、

お前を守りたい。

俺と同じ、醜い悪魔であっても―――俺は―――

――さ…ん!

どうしようもなく、俺は…

―――兄さん!!



お前が、好きなんだ

「起きろ!!!!」

心臓が、大きく跳ねた。

「(俺は、死んだのか…?)」

薄暗い視界の中、青い炎が自分を照らした。

胸で燃える青い炎、熱い。

「(死んでねぇ…!)」

燐は瞳を開くと、目の前には姿を変えたアマイモンがいた。

アマイモンが土で作った大きな腕を振り下ろすと同時に燐は剣を鞘から抜いた。

「!」

それだけなのに、燐を潰そうとした腕は崩れ落ちる。

「なに…っ…?!」

アマイモンの驚く声の中、燐は崩れ落ちる腕に飛び乗ると、そのままアマイモンがいる所まで走り抜ける。

「っぁ…」

一瞬のことだった、アマイモンの身体を貫く燐の剣。

そして青く燃えるアマイモンは黒くなっていく。

「嘘だ…地の王であるこの僕が、負けるはずが…兄上!!!NO NAME、NO NAMEーっ!!!!」

アマイモンは叫んだが、黒くなって灰になっていった。

その途端崩れ落ちる燐の身体、

「兄さん!」

雪男やしえみが叫ぶ声より早く燐の首元に大剣がかざされた。

エンジェルの大剣だった。

「やめろ、エンジェル」

「ですが…」

「我々はフェレス卿言う、賭けにのったのだ」

エンジェルは悔しそうに顔を歪めた。


   

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