16歳 | ナノ

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俺を包んだのは炎、青い炎だった。

隠し事なんかしたくない、俺は、やさしいことのために力を使いたい。

誰よりもNO NAMEを守れる力がほしいから。

あいつを笑顔にさせたいから。

剣をアマイモンへと向けたとき、誰かが目の前へと降り立った。

「な…っ、NO NAME…?」

降り立ったのは、確かにNO NAMEのはずだった。

なのに、違う。

髪も瞳も赤く塗りつぶされていた。自分と同じように尖った耳は

髪に隠れずに突き出ている。

意味が分からない。なんで、なんで、なんで。

「NO NAMEは、悪魔ですよ?」

それを聞いた瞬間、心臓が、時が止まったような気がした。

全身がざわめく、血が騒ぎ出す。

なんだ、なんで、どうゆうことだ。

本当は分かっていた、一目見た瞬間から。

"自分と同じようだ"と、認めたくない。

違う、違う、違う。必死に自分に言い聞かせて、うつろになった瞳に再度

アマイモンの後ろにいるNO NAMEを写した。

「……冗談は、やめろよ…」

「冗談なんかじゃありません」

楽しげなアマイモンの表情を睨みつけるが、アマイモンは変わらなかった。

「NO NAMEは、悪魔なんかじゃねえ!!」

違う。絶対に。認めるもんか。受け入れられるはずがない。

そんな、そんな答え。

そんな悲しい答え。

騒ぎ出す、全身を繋いでいた鎖が軋む音がした。

同時に心臓が激しく鼓動を刻み出す。

「NO NAMEは悪魔ですよ、この通り」

「黙れぇっ!!!!!!」


嘘だ、悪魔なわけがない。

だって今までずっと一緒にいたのに。

ありえない。

そんな嘘つくな、聴きたくない。


だからお前を殺してやろう。

そんな口、二度と聞けないように。




全身を繋ぐ鎖が壊れた、


つなぎ直すことなんてできない。





   

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