16歳 | ナノ
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「…地の王、アマイモン?」
目の前に現れた悪魔はそう言った、同時にメフィストは笑みを浮かべると、
自分の弟だと言った。
「じゃあ、貴方はサタンの子なのね」
「はい、そうです」
メフィスト以外の子に会うのは初めてだったので、
新鮮なものを感じるのに、目の前のアマイモンの表情は緩みはしなかった。
「ねぇ、ここはどこ?」
気になっていた、この部屋、この場所。
人間界なんだろうけど、来たことのない場所だった。
部屋を見回すと暗い部屋に光が差し込んでいた。
月の光だろうか、カーテンが半ばしまっているせいでよく見えない。
「ここは正十字学園ですよ」
「貴方が管理してる所って前に聞いたね、どうして、私はここにいるの」
おかしい、おかしい。
どうしてここにいるのか分からない、私は確か…
その答えが見つからない。今まで何をしていたのか、どこにいたのか分からない。
だからこそ思った。
闇を照らす炎を見たいと、あの人の会いたいと。
微笑んだまま答えないメフィストに顔を傾けて、ゆっくりと唇を動かした。
「……サタンに会いたい」
なんでだろう。
もうずいぶん会っていない気がするの。
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