16歳 | ナノ

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「…お、奥村NO NAMEです!!宜しくお願いします!!!」

「奥村さんやぁ!!!!!」

緊張した空気を壊してくれた志摩君。

今日から塾に通うことになりました、

正直言ってメフィストさんの事を思い出したら、

ダメだと確信していたものが、

意外にOKでびっくりしています…、


ここは私たち奥村家が済む男子寮。

合宿のようで、

今日、紹介させることになった。


「なんや志摩、知り合いか?」

金髪でピアスをすっごくつけている人が志摩君に聞くと、

志摩君は頷いて、私に近づいてきた。

「俺と奥村さんは赤い糸で繋がってはるんですよ」

「奥村さん、って奥村と奥村先生と三つ子なんか?」

「なんでスルーなんですかー?!」

「三つ子じゃないよ、私は義理の兄弟」

「坊、」

坊主の背が低いメガネの男の子がそう言った。

「わかっとるわ!すまんな」

「ううん、大丈夫だよ」

そう言って笑ってみせると、

三人は目を見開いて、顔を赤くした。

「な、な!ええやろ!奥村さんええですよねぇー!!!」

「…皆さん、一応今、授業中ですよ」

雪男のピリッとした声にみんなは黙って、

畳の上に座った。

「ったく、気をつけろよNO NAME」

「え、何が」

私も燐の隣に座ると、

燐のぶっすりとした顔が目に入った。

「まじ鈍感だなぁ、お前」

「いや、燐に言われたくないし」

「じゃ、テストを配ります」

テスト!

白い紙が回されて、

みんな一斉に書き出す。

わ、やばい、イケルかも!

雪男が夜遅くまで教えてくれたからだー!


「はい、終了」


「あー終わった…」

「朴、お風呂行こ」

「うん」

「あ、わ、私もっ!」

眉が特徴的な女の子と、茶髪の女の子、

それから可愛らしい着物を着た女の子も一緒に部屋を出ていく。

後でお友達になろう。


「ええですなー、奥村さんはお風呂入らないんですか?」

志摩君がニコニコしながら聞いてくるので、

不思議に思いながらも答える。


「うん、お風呂は一人で入るほうが好きなんだ、だから後で」

「な、何時頃ですか?!」

「志摩!」

志摩君は、えっと…勝呂君と三輪君君に怒られてしまった、

さすが、健全な男子って感じです。


「ねぇ、あそこに座ってる二人は…」

「あぁ、ピンクの髪のほうが宝で、あっちが山田」

「へーぇ…」

あんまり団体でわいわいする人じゃないんだ、

記憶しておこう。


「やっぱりお風呂入ろうっと」

早めに女子達とは友達になっておきたい。

「まじですかぁ!」

「志摩君、一応教師がいることをお忘れなく。」


雪男の言葉に苦笑して、

部屋を出ていって風呂場に向かうと。

そこには着物の女の子の姿があった。


「あれ…?」

たしか、杜山しえみちゃん!

「どうしたの?」

「えっ、あ、NO NAMEちゃん」

「お風呂、入らないの?」

その言葉に少し顔を暗くさせたしえみちゃん、

何かあったんだ…。

「私、フルーツ牛乳買ってこなきゃ…!」

「え?フルーツ牛乳?!ちょっと待って!」

あ、良いところに燐が!!!

燐は走っていくしえみちゃんの腕をつかんでくれた。

ナイス!!!


「きゃああぁ!!!!」


「?!」

女子風呂から聞こえた声。

急いで、風呂場に駆け込むと、

見たことのない悪魔がそこにはいた。

もしかして屍…?

本で見たことある!

風呂場にいた神木さんと朴さん、

朴さんは横たわっている、

もしかして魔障を?!

早く助けないと!!

「!」


屍と目が合った瞬間、

背筋が凍りついた。

私に目掛けてものすごいスピードで向かってくる。

足が、動かない…ッ…!!!


「NO NAME!!!」





   

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