16歳 | ナノ

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「広いっ!すごいっ!」

今日から正十字学園に入学することが決まった私。

「NO NAME、あんまりはしゃがない。」

肩をポンと叩かれ、振り向くと、

雪男の顔がすぐ傍にあった

「だって初めてだよこんなとこー!」

「はいはい」

雪男は始めはびっくりしてた、

なんで雪男と同じ学校に入学することになったのだろうか、と。

私は全てを教えてもらった。

そう言ったら、ひどく悲しそうな顔をされた。

本当の家族じゃないことを気にしてるのか

私の力が開放されたことを気にしているのか

私には読み取れなかったけど…、


「すっげえええぇ!」

「兄さん…」

雪男のため息の先には燐のはしゃいでいる姿があった、

それに思わず苦笑する。

燐も同じ学校に入学することになった、

理由は、聞いたところでは祓魔師になるらしい、

雪男と同じ祓魔師に。

……私は…?

ここで何をするの?


『NO NAMEは僕が守るから』


そう雪男に言われた時、

なんだか納得しない自分がいた。

では、私はどうする…?

「じゃあNO NAME、この学内は安全だから寮に先に帰っていて、」

「あ、うん」

燐にはまだ言ってないんだっけ…、

雪男が祓魔師だって内緒にしないといけないんだったね。

「迷うなよ!」

こっちの台詞だ!

そう言い返せば燐は笑った。

二人は別々の道を歩いていく、

「寮って、たしか男子寮。」

なんで男子寮なんだか…、

雪男が言うには私を守るためだとか…

学校内は安全じゃなかったの?

それとも、別のものから…?

“兄さんとはあまり一緒にいないほうがいい”

「…雪男」

燐が悪魔だから…?










私は偽りではあるけれど、


家族なのに…、

雪男は燐を信用してないの…?




   

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