16歳 | ナノ

1703
4/6




手を伸ばせば、青空が掴めてしまいそうだ


だんだんと地上から離れていく私を抱きしめたのは、懐かしい香りだった。


「父さん…っ…」


すぐに分かった、小さい頃からずっと傍にあった、大事な存在

自分を育ててくれた、強く気高い、父親

たとえ、偽りであっても

優しく頭を撫でてくれる、心地よい感覚


「やっとね、私…自由になれた」

「ああ、よく頑張ったな」


優しい声に包まれて、ゆっくりと瞳を閉じた。

背中から翼が生えているかのように、身体が軽くなる。

暗くなった視界の中で広がるのは、優しい光








 

[しおりを挟む]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -