16歳 | ナノ

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「なんて、綺麗な空なんでしょう」

屋敷の窓から見える空は青空で輝いていた、なのに心は晴れない。

曇ったまま、渦巻いているのに、なんだか笑が溢れてくる。

「……ふっ、最初からわかってたのに」

幸せに育って、全てをしったならきっと彼女は…

彼女が選ぶ道が分かっていた。

あの日、初めてあったあの日もこんな空だった

父上に会いにいったが、森には一人の女がいた。悪魔を引き寄せる香りと人間を引き落とす呪い、特殊な天使、から悪魔になった女。

美しい赤い瞳を見たその日から、きっと、運命は決まっていたのかもしれない。

「メフィスト」

自分の名前を呼ぶその声が愛しくて、仕方がなかったのに

彼女は、父上を愛していた。

父上もその女を愛していた、だかこそ、女を人間にしたいと言った。

命令だったが、NO NAMEの願いなら、と身体が勝手に動いた。

分かっていたのに、彼女が人間になるには人間と悪魔の子にその力を引き継がせること

父上の作った二人の双子に、その力を授け、彼女は人間となった。

「その子も俺が育てる」

藤本獅郎に彼女を預ければきっと面白いことになると思った

案の定、面白いことは続き、運命は向かったのだ。

「分かっていたんですよ、こうなることは」

だから、とても楽しかった、

でもなぜだろう、空っぽの心が残っている。

でもその心が残っていることが、嬉しい、これは証拠になる

「僕が貴方を愛していた、証拠…ですよ」

ひねくれた。愛情。

 

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