16歳 | ナノ
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「赤い悪魔は、100年前に存在していた悪魔。赤い炎を使える悪魔だった…兄さんの炎のようにね」
「ありえないだろ!100年前って…俺たちもNO NAMEも産まれてないだろ?!」
一緒に成長してきたはずだった、燐の脳内が騒ぎ出す。ドクン、ドクンと心臓が揺れる。
「…相手は悪魔だ、憑依する人間を変えればどうってことない」
「いや、赤い悪魔は悪魔のくせに自らの肉体はここにあった」
それに燐と雪男は目を見開いた。
「(まるで…俺と同じ)」
「燐のように悪魔と人間から産まれた子というわけじゃないが、赤い悪魔は最初は悪魔でも人間でもなかったんだよ」
シュラの声色が変わった、本にも記されていない真実に雪男も息を呑む。
静かな部屋の中でろうそくに灯る燐の青い炎だけ燃えていた。
「じゃあ…なんなんだよ」
「天使だ、天使と人間の間から産まれた、そして悪魔落ちしたんだ」
「それが…NO NAMEだっていうのか?!?!」
「天使なんて得体の知らないもんの力は知らない、だから身体の時を戻すことも、
人間であったことも可能なんだよ」
燐の瞳はユラユラ揺れていた、
知らなかった真実が大きすぎて、抱えきれない感情が多すぎて。
溢れそうな想いが苦しすぎて。
全部が全部偽りであったらいいのに。
NO NAMEという俺たちの妹でだけあればいいのに。
笑っていればいいのに、悪魔とかそうゆうの関係なく。
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